6.※自慰

フッと意識が遠のいたような感覚を覚えながらも虚ろな目をした姫宮は、ベビードールを脱ぎ、風呂場へと入る。

念入りに身体を洗い終えた後、片手を粗末な自身にもう片手は後ろに触れた。


自身を指先で摘むように触りつつ、後ろは一本ずつ入れ、確かめように割り入れていった。


「⋯⋯ん⋯⋯んんっ⋯⋯ふ⋯⋯」


控えめな声であっても場所が場所であるため、声が普段よりも響く。

だが、今は自分一人だけで、それに誘うような甘い声の練習と自身を高めさせるのにちょうどいい。

手の中で大きくなるにつれて、後孔も解れていっている。

とはいえ、充分に解さずとも過度な程解れてはいるのだが。

今宵もまたこの雌穴に熱い欲を打ち込まれることだろう。

満たされることのない欲を。


「は⋯⋯ぁ、あ⋯あ⋯⋯っ」


粗末なモノがそれなりの大きさになった頃、先端部からたらりと我慢汁が垂れていた。

興奮で先走っているそれを手に掬い、先端部からカリ、くびれへと纏わせ、それから扱いた。

自身から溢れた我慢汁の甲斐あって、さっきよりも滑りが良くなり、敏感部であるそこはより感度を高めていき、触れる度に脈打つ。


「はぁ、ぁ⋯⋯あっ、ふ⋯⋯っ、ん⋯⋯あっ」


自身の淫らな声がやや大きく、呼吸が乱れていくにつれ、手が速まる。

反り勃つしかしとても大したことのない自身のを、敏感になっているとはいえ躊躇うことなく手を俊敏に動かし、そして先端部辺りを指先で捏ねくり回していた時。

下腹部の奥底から一際ムズムズするような感覚を覚えた。


大きな波が来る。

そう思った姫宮はとっさに先端部を手で包み込んだ。


「あ⋯⋯っ、い⋯⋯く⋯⋯っ!」


つま先立ちとなり、短い悲鳴のようなものを上げる姫宮から放たれた精は包み込んだ手で受け止めた。

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