第21話

そんなある日、天候が曇り空で彼女とデートしている時、突然の雨に見舞われてしまい、

びしょ濡れになってしまったことがあった。

幸いにも近くに建物があったため、急いで駆け込んだのだが、全身ずぶ濡れになってしまったせいで、

下着まで透けてしまっており、とてもじゃないが人に見せられる姿ではなかった。

そのため、一刻も早く着替えなければならない状況ではあったが、

運悪く替えの服を持っていなかったために困ってしまった。

どうしたものかと考え込んでいるうちに、ある名案が浮かんだので実行することにした。

それは、その場で服を脱いでしまうというものだ。

そうすれば、濡れた服を着替える必要がなくなり、時間も無駄にすることなく済むだろうと思ったからである。

そうと決まれば、善は急げということで、早速実行に移すことにしてみた。

まずは、上着から順に脱いでいき、最後にスカートに手をかけたところで、背後から声をかけられた。

振り返るとそこには、驚いた表情を浮かべた彼女が立っていたのだ。

どうやら、一部始終を見られていたらしく、恥ずかしく思った反面、

どこか興奮を覚えてしまったのも事実だったりするのだが、

それを悟られないよう平静を装って対応することにする。

そうすると、何を思ったのか、突然抱き寄せられてしまい、さらには唇を奪われてしまったのだ。

突然のことに戸惑いを隠せなかったが、同時に喜びを感じていたのも事実だった。

しばらくして解放されると、名残惜しそうに離れていく様子を見て、

少しだけ残念に思う気持ちもあったが、それ以上に嬉しかったというのが正直な感想である。

そうして、しばらくの間余韻に浸っていたものの、

いつまでもこうしているわけにもいかないので、行動を再開することにした。

とりあえず、この場を離れる必要があったので、彼女に事情を説明して、近くのホテルに向かうことになった。

受付を済ませた後、部屋に入ると、早速シャワーを浴びることにした。

お湯を浴びながら、先程のことについて考えることにする。

(まさか、あんな大胆なことをされるとは思わなかった)

そんなことを考えつつ、思い返していると、

段々恥ずかしくなってきたので、さっさと上がることにした。

身体を拭いて、バスローブに身を包んだ後、浴室を出ると、ベッドに腰掛けている彼女の姿があった。

その姿を見た瞬間、胸が高鳴るのを感じたが、それを悟られないように注意しつつ、そっと隣に座った。

それからしばらくの間、沈黙が続いていたのだが、先に口を開いたのは彼女の方だった。

「さっきは本当にごめんなさいね、驚かせちゃったみたいで」

申し訳なさそうに謝る姿に罪悪感を感じずにはいられなかったが、

ここで謝られても困るだけなので、敢えて気にしないようにして話題を変えることにした。

とは言っても、特に話すことなんてなかったので、適当に思いついたことを口にしてみることにした。

例えば、最近の出来事について話してみるとか、趣味とか好きなものについて聞いてみるとか、

そんな感じのことを話したりしたわけだけれども、どれも当たり障りのない内容ばかりだったように思える。

まあ、いきなり突っ込んだ話をするわけにもいかなかったということもあるかもしれないが、

それにしてももう少しマシなことが言えたんじゃないかと思ってしまうくらいには酷いものだったと思う。

それなのに、彼女は嫌な顔一つせずに聞いてくれていたので、本当にありがたかったというか、

申し訳ない気持ちでいっぱいになったりもしたものである。

そんなこんなで色々と話をしている内に、気が付けば結構な時間が経ってしまっていたようで、

そろそろ帰らないといけない頃合いになっていたようだ。

「それじゃあ、また明日学園で会いましょうね」

そう言い残して去っていく後ろ姿を見つめながら、ぼんやりと考えていたことといえば、

やはり先ほどのことばかりだったのである。

どうしてあんなことをしたんだろうとか、どういうつもりなんだろうとか、

色々な考えが頭を過っていったりもしたものだが、結局のところ答えは出ないままだったので、

ひとまず置いておくことにして、その場を後にしたのだった。

翌日、教室に入ると真っ先に目に入ったのは、いつも通り席に座っている彼女の姿だった。

その様子を見る限りでは、特に変わった様子もないように思えたものの、

果たして本当なのか気になったので、直接確かめるべく近づいてみることにした。

ところが、いざ声をかけようとした途端、

タイミング悪くチャイムが鳴り響いてしまったため、やむなく断念せざるを得なかった。

仕方ないので、次の休み時間に聞くことにしようと決めた直後、

授業が始まったこともあって、それ以上深く考えることはなかったのである。

昼休みになり、いつものように食堂へ向かう途中で、偶然彼女と鉢合わせしたので、

そのまま一緒に食べる流れになった。

席に着いて注文を済ませた後、雑談をしながら食事を楽しんだ後、

食後のデザートを食べ終えたタイミングで、思い切って昨日の件について切り出すことに決めた。

意を決して尋ねたところ、あっさりと白状してくれたことには驚かされたが、

それ以上に納得がいった部分もあったりするわけで、妙に腑に落ちたような感じがしたくらいである。

要するに、彼女にとってみれば、単なる気まぐれに過ぎず、特別な意味などないということのようだ。

そのことを理解した上で、あえて追及するような真似はしなかったものの、一つだけ気になることがあったので、

それについて尋ねてみることにした。

なぜあんなことをしたのかという理由については教えてくれなかったものの、

それ以外の点については丁寧に説明してくれたお陰で、大体のことは把握できたように思う。

ただ一つ、どうしても理解できないことがあるとすれば、

何故わざわざそんなことをする必要があったのかという点なのだが、

いくら考えても答えが出ない以上、これ以上考えたところで時間の無駄だと判断し、

早々に切り上げることにして、午後の授業に備えるべく、早めに食事を切り上げることにするのだった。

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