第22話お嬢様はレアボスと戦うそうです。
~六十九階層~
「六十九階層と言えば【災厄級ゾンビヘルドラゴン】のこと思い出すわね。」
「ああー、予言書で出てきて僕の腹を切り裂いたトカゲですね。多分読者はほとんど覚えてませんよ。」
「それでこの階層のダンジョンボスはなんて名前なのかしら?」
「ええっと…【キメラウィザード】ですね。」
「【キメラウィザード】?」
「下半身がたこの足で上半身が魔法使いの姿をしている魔法を多用してくるボスですね。」
「何でわざわざ下半身をたこの足にしちゃったのかしら…。上がるのは戦闘力じゃなくてキモさだけじゃない。」
「お嬢様そろそろボス部屋なので下がっていてください。」
「一応三十%まで解放許可を出しといてあげるわ。」
ぷしゅー
執事の機械の縛りが少し緩んだ。
「お嬢様ありがとうございます。」
~ボス部屋~
「ねえ執事、あなたが言ってたボスと少し姿が違うのだけれど?」
「これは多分レアボスが来ましたね。」
「レアボスってごく稀にボス部屋に現れる特異体のボスよね。」
「はい。【キメラウィザード】のレアバージョンは確か【キメラゴーレムウィザード】ですね。」
「【キメラウィザード】の腕がゴーレムみたいに太い…。余計キモいわね。あのキモさなら執事と張り合えるわ。」
「僕ってあんなキモいですか?」
「安心しなさい。あのボスの容姿とあなたの性格なら同じぐらいってだけよ。」
「何のフォローにもなってませんよ。」
「ニョロロロロロ!」
「鳴き声キモいわね。」
「ニョロッ!?」
「もういいですねっ【三十%憤怒パンチ】!」
「ニョロ!」
ドンっ
「執事凄いわ!あのキモいの執事のパンチを触手と拳で防いだわ!」
「とうとうキモいの呼びですか。」
「ニョロロ!」
「カラフルな玉がたくさん浮かんでいるわね。ちょっと触ってみていい?」
「触った瞬間、手が消失しますよ。」
「じゃあ執事、触ってみて。」
「なにが【じゃあ】なんすか?」
「ニョロっ」
カラフルな玉が執事とメアリに向かって飛んできた。
「【五十%怠惰パンチ】!」
バンっ
カラフルな玉とキメラゴーレムウィザードが壁に叩きつけられた。
「ニョッ!」
「もう飽きたので倒されてください!【六十%暴食パンチ】!」
「ニョロロ…ロロ…ロロォ…。」
「お嬢様、無事倒せたのでもう出てきても大丈夫ですよ。」
「なかなか面白かったわね。それで本題のミスリル宝箱は出たのかしら?」
「ええっと…ゴールドですね。」
「まあいいわ。一応開けてみましょう。」
宝箱に入っていたのは…人形だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます