感謝
- ★★★ Excellent!!!
新しい『魔法』概念や世界観についての精密な設定・説明が素晴らしい。
今までにない魔法による『能力』の戦闘はきらびやかで自身に新しい視点を与えてくれる。
各キャラもどこかで使い捨てることなく、物語の根幹に関わり、且つ各々の細やかな心情や成長の描写に脱帽した。
途中で特別、胸糞悪い展開になることもなく、各キャラの魅力を存分に引き出されているパートは個人的に嬉しい。
それぞれの境遇や信念をよく表したセリフや言い回しが水を吸ったスポンジのように染み込んでくる。
各キャラの過去などもいい具合に織り込まれており、より深く作品にのめり込んでいくのを感じる。
主人公も、善悪のどちらかに寄るのではなく、なにかと人間臭く、なんなら一周回って気持ちが良いくらいの『小物』のような言動・立ち振る舞いをするが、どこか特別なところがある性格や『小物』からは考えられない程の優しさを持ち合わせる面が非常に面白い。
ストーリーも勢いがあるがそれだけでなく、読んでいて『納得』のいく説明と凄みがあると感じた。
それぞれの戦いで見どころ満載の強力な敵が各戦闘を飽きさせないどころか、より深く惹き込まれる。
毎回、「本当に、今回の敵に勝てるのか?」と手に汗を握る戦闘内容・状況・敵のレパートリーにはわくわくさせられる。
主人公自身も強敵との戦闘の度に、新たな『視点』や『能力』を見出し、向かって行く『洞察力』・『思考力』には毎回驚かさせる。
それのみならず、どんなに絶望的状況(そしてどのようなタイプの困難)であっても、決して諦めることなく自分のできることを最大限やり遂げる姿勢はまさしく主人公として相応しい、魅力的なキャラであると思う。
ヘタに俺TEEEをせずに、根拠に基づいた強さに好感が持てる。
仲間……とはっきり形容することのできるモノではないかもしれないが、自分にとって世話になった存在に対して敬意を払う姿勢には涙が溢れてくる。
たとえそれが自分の命を狙った宿敵であっても、その者の実力や想いなどに敬意を表すことができる主人公には感動させられる。
だからこそ普段の『小物』とのギャップが面白いッ!