第33話 strategy meeting 2

「はい、では我々は引き続きラックさんの援護をしつつ内部を調査する。ラックさんは我々の情報を下にターゲットの下へと言う流れですが、続いてこちらをご覧ください」

サムはスライドを次に動かしてマップを切り替える。

映し出されたマップは十階のフロアが表されていた。

「こちらは十階、サブホールとなります。このサブホールは三階より上にあるホテルのホールとなり、我々が行動する二階のカジノホールとは別にあるものですね」

「そうか、メチャカジノは上にホテルがあったんだったな」

このメチャカジノは三階までがカジノや映画館、バーなどの娯楽施設となっており、それより上は宿泊施設となっている。

そして集められた様々な企業団体はパーティと題されカジノやバーで交流をすることになっているが、実はこれには別で本来の目的が隠されていた。

「はい、そしてその上階にあるホールでは集められた団体の中でもよりイクシードに近しいと思われる団体のトップが集まる予定なんです」

「なるほどな、つまりは下で行うやつはあくまで表面的で、その中でも一番の目的は上で完結すると。そんでその取引、会議にイクシード代表でオリーブが選ばれたんだな」

「そういうことです。なのでターゲットはそこに必ず現れます」

「・・・ま、変だと思ったよ。俺等の情報を提供しただけで組織に受け入れられる理由がないと思ってたが、ちゃんと能力を買われてたのか。特にオリーブは話が上手だったからな。相手から情報を抜き取るのを得意としてたくらいだし」

「そうね。危うく私達の情報を抜き取られかけたこともあったっけ?」

「あったな。でも俺が惚けた(とぼけた)おかげで流されたんだぞ?てのはどうでもいいか」

「そうね。ま、そのくらい要注意人物ってことよね」

「ああ、惜しいくらいにはな」

「・・・それで続けますが、その会議に出席しているトップは同じように排除してもらって構いません。むしろ排除を求めます」

「いいのか?そんな大きな事やって流石にイクシード以外にも狙われるぞ?」

「そこは問題ありません。こちらでイザコザがあったように装う準備を整えますので」

「なるほど、それでイクシードと連中との間を悪くする感じか。オーケー、そこにいる奴らは排除対象ね」

「お願いします」

「相当危険だとは思うけどお願いね。こちらも全力でサポートするから」

「ああ」

ラックは口角を上げ余裕そうに笑う。

それにジェシーや構成員は少し心配はあれどどこか安心するする。

この人がそう言うなら問題ないだろうと。

「以上が本日の流れです。改めて要約すると、我々で正面から潜入しラックさんは裏から侵入しターゲットを見つけ排除する。そこまでの案内は我々で行い、セキュリティもこちらでコントロールします」

「オーケー、理解したよ」

「それならよかったわ。あと念の為言うけど、あんまり能力は使わないようにね」

「わかってるよ。目立たない為だろ?無くても俺には変わらんから問題ないね」

「そうね。それと最後に一番重要なお話があるの・・・」

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