夢の戦闘 その3
騙されているとは知らずにソージ達は、急いでジュンコの車に乗り込み東京へと向かう。
「先生、ユメはそこまで強力な能力を見に付けたんですか?」
ソージは不信そうに聞く。
「現時点ではわからないけど…。念のためスタンガンを用意したわ。」
「ウチ、ユメ探知なんて聞いたことないけど。」
ユートまでも疑う。
「待てよ、いつ探知されたんだろう?」
ソージは気づく。
「先生、施設にもどっちゃダメだ。」
「え、でももうすぐ施設よ。」
「今なら間に合います。」
しかし手遅れだった。
ジュンコの車に後ろから車がぶつかってきた。
そして、バイクがジュンコの車を囲む。
そのまま誘導されるように施設へと戻って着てしまった。
そこで待ちかまえていたのはタケルを鎖につないだユメだ。
そしてクスっと笑い一言
「おかえり兄さん。」
ソージに旋律が走る。
「うあー。」
ユメの恐怖がまた脳裏に浮かぶ。
「落ち着け。」
ユートはソージを落ち着かせようとするが、ソージはパニック状態。
「く、寝てねぇし夢耐性もできねぇか。」
「ウチも怖くなってきた。あれはもうウチの知ってる夢じゃない。」
ジュンコだけは冷静だった。
いや、冷静にならなければいけなかった。
「タケル生きていたのね。」
そして、車から降りてジュンコは夢に語りかける。
「あなたの要望は何?」
「ソージとこの犬の交換よ。」
ユメはタケルを蹴る。
それを見たジュンコはあっさりとユメの取引を受け入れた。
「いいわよ。」
「あら、以外と素直ね。しょうがないか。大好きなタケル先生だものね。
それを聞いたユートは当然頭にきてジュンコを殴ろうとすう。
しかし投げ飛ばされてしまう。
「裏切りものがぁ。」
ユートは更に殴りかかるが投げ飛ばされしまう。
「ふふ、いい気味。流石あたしのことも裏切っただけのことはある。」
ユメはまた、大笑いする。
「ちくしょう。」
ユートは地面を殴る。
「ウチも先生の事みそこないました。」
マイコまでもジュンコを責める。
「なんとでも言うと良いわ。私はタケルさえ無事でいてくれたらいいのよ。」
ソージはまだ混乱していた。
取引は行われる。
「やだ、先生俺を見捨てないで。」
「さあ、タケルをこっちへ。」
しかし、ユメはタケルを引き渡そうとはしなかった。
「ふふ、まんまと引っかかったわね。誰が、いいですよなんて引き渡すか。」
「そうくると思ったわ。」
ジュンコは秘策を用意していた。
ユメに近づくためにソージを引き渡したのだ。
ポッケトの中に隠し持っていたスタンガンをユメに撃ち込む。
その衝撃でユメは気絶する。
「少々手荒な作戦だったけどこれでユメは暫くは起きないでしょうね。ここではどこか人気の無い場所で夢の戦闘をおこなうわよ。」
「先生裏切ったわけじゃ?」
ユートは目を丸くして質問する。
「古典的だけど的を騙すのは見方からってね。」
マイコが津図蹴る。
「人が悪いですよ先生。ウチ本当に先生が最低だって思っちゃった。」
問題はソージの方だった。
まだ、怯えている。
「ソージすまねぇ。」
しゃがんでいるソージを立ち上がらせユートはソージを殴る。
「いつまでも怯えてんじゃねぇ」
ソージはやっと平常真に戻る。
「ユートありがとう。でも、手荒だな。」
ジュンコは念のため、気絶しているユメに睡眠薬を一錠のませる。
だが、問題はユメの兵隊だ。
「この、ユメ様になんてことを。」
車から降りてきたのは所長である。
「ここは、私に任せてカウンセリング室へ行きなさい。鍵とこれを台車が車の荷台にあるから使うといいわ。。」
ジュンコは鍵と睡眠薬をソージに手渡した。
そして、ソージ達は車の荷台を開けて台車にユメを乗せ目的地に走る。
「マイコ、君が台車を押してくれ。俺たちがユメの兵隊を倒しながら突破口を開く。」
「わかった。」
「よっし、一世一代の大勝負いきますか。」
ソージたちは気を引き締め走り出した。
読み通りユメの兵隊たちがソージ達を待ちかまえ襲いかかってくる。
なぎ倒しながら進むソージ達。
体力が削られていく。
「あと、どんなけだ?」
「全職員と全児童で合わせて五十人だ。」
カウンセリング室まであと三メートル地点でソージ達の体力は底をつく。
「待ちわびたよ。」
そこへ現れたのはユメの兵隊の中で一番強い職員の安堂。
実力はタケルと大差ない相手だ。
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