前世の自分に侵食されていくという恐怖と、その存在に助けられているという安心感の板挟みで、心が全然落ち着かず、物語の主人公のみならず読み手の情緒も不安定になります。
精神的な恐怖に加えて、心霊的な恐怖が畳み掛けるように襲い来るので、主人公である綾花ちゃんにはきっと、心休まる時はないことでしょう。
もう毎日がホラー日和。
特に何か悪事を働いたわけでもなく、転生者だったというだけでこんな状況に陥っている。
ただただ巻き込まれている…。とてつもなく不憫です。
文章はどっしりしていて設定も骨太なのに不思議と読みやすく、スムーズに感情移入できるので、しっかりと恐怖心を味わえます。
ホラー好きにはたまらない作品だろうと思います。
物語なので楽しんで読めますが、この学校に自分が通うことを想像すると、まあ私なら直様休学しているに違いありません。怖いから。
いくら制服が可愛かろうと無理ですが、それでも頑張る綾花ちゃん、凄いな…。