上の兄弟姉妹たちが特別優秀で美しいからこそ、自分が駄目に見えてしまう第三王女のアンナ。そんな彼女を傍で支える有能で完璧な専属執事のグレンヴィル。
どんな時でも本当の自分だけを見て、認めてくれる存在は、きっと心の中で確かで大きいものでしょう。
アンナにとってのグレンヴィルがそうだったからこそ、折れることなく頑張った彼女が花開いた場面では、思わずうるっとしてしまいます。
何よりグレンヴィルから紡がれる優しく、甘く、真っ直ぐなアンナへの一途な想いと言葉に、胸キュン間違いなしです。
これからも続く二人の関係を見守っていたいと思える、素敵なお話なので、ぜひ!
美麗にして明晰、理想的ともいえる兄二人と姉二人。その下にいる第三王女アンナは、決して愚鈍ということはないのです。じつは優秀なんです。でも、兄二人と姉二人が凄すぎる。比較される相手が悪すぎるのです。何をしても勝てない。自分で自分を褒めてあげることができないのです。
ですが、彼女には至高の宝物があります。執事のグレンヴィル。かつて神童と言われた優秀な青年であるが、アンナという王女に惚れ込み、自ら志願して執事になった男。彼は極めて優秀で、どんなときでもアンナの味方です。そして、一番になれないまでも必死に頑張るアンナに最大限のサポートを提供する。彼がいるから、アンナはがんばれる。自分がここにいていいのだと安心できる。
たったそれだけの話といってしまえば、それはそうなんですが。何でしょう。すごく心が温まるんです。たとえるなら、雪の降り積もる冬山の山頂で、熱い露天風呂に浸かっている気分です。過酷な状況でも、身体が芯から温まっていれば、見える景色も違ってきます。もの短編は、あなたの心を芯から温めるひとときの癒やしの時間を与えてくれることでしょう。