第33話 凍道チャンネル「祟神機関八咫烏スペシャル⑧」

「700年以前の石碑が残ってないともう一つ、朝廷が「祟り」を恣意的に扱っていたであろう証拠として、日本の三大怨霊があげられる。三大怨霊というのは、903年没の菅原道真、940年没の平将門、1163年没の崇徳天皇だね」


菅原道真 903年没 

平将門 940年没 

崇徳天皇 1163年没


「ここで不思議に思わないか?なぜ長屋王が怨霊にならないのか。長屋王が怨霊にカウントされないのは、「なにか後ろめたいことがあるから」以外の説明がつかない。崇徳天皇が怨霊化してることから、皇族から怨霊が出ても構わないわけだからね。ああ、一応、崇徳天皇は「種違いで白河法皇不義の子」説があるわけだが……その場合も一応天皇の子ではあるわけだ」


『やめるのだ!白河法皇が藤原璋子が崇徳天皇を産んだ時璋子は18歳で白河法皇は65歳なのだ!』『めっちゃ詳しいやん』『とっさに出るのは歴史オタクこえて歴史学者なのよ』


「65と18歳なら倫理をおいておけば子どもは作れるね。長屋王の話に戻すと、あの東大寺大仏殿が建立されたのは長屋王の呪いを鎮めるため。それほどの大怨霊がなぜ怨霊としてカウントされていないのか?もし俺が、何の前情報も無しに三大怨霊を選べと言われたら、まず最初に選ぶのが長屋王だ。時の権力者であった藤原四兄弟を全滅させ、全国民の3から5割を疫病で死なせた最大最強の怨霊で、怨念の強さは歴史上最強と言える。これに比べたら、長屋王がミュウツーなら朝廷でちょっと雷を落とした道真なんてピカチュウだよ」


『はい今学問の神様をピカチュウ扱いしたのでアカデミアの席がなくなりました』『五条先生と乙骨のご先祖様をピカチュウ扱いは草』『三大怨霊をピカチュウ扱いとか怖いもの知らずか』『これがいつもの凍道』


「長屋王が怨霊扱いされてない言い訳として、冤罪が証明されたからって話があるんだが、たとえば菅原道真も一族が赦免されてるわけだし。というわけで三大怨霊それぞれの呪いの詳細もみていこう。菅原道真は死後に清涼殿(皇居)に雷が落ちて、道真が恨んでそうな人達が死んだりしたから、雷神(怨霊神)とされたと言われてる。」


903年 菅原道真左遷先で死亡

908年 左遷のきっかけを作った藤原菅根 雷で死亡

909年 道真を追放し政治のトップになった藤原時平 疫病で死亡

913年 時平のあと政治のトップになった源光 沼に落ちて死亡

923年 保明親王 病死

923年 道真、死後左遷を解かれる

930年 清涼殿(皇居)に雷が落ちて、左遷後の道真を監視していた藤原清貫ら死亡


「まず、雷は自然現象だから除外する。結論から言おう。なぜ、道真が大怨霊ということになったか。それは、923年に鎮魂して終わったことにしたのに、そこで収まらずに930年に大事件を起こしたからだ。長屋王が大怨霊として扱われないのは、鎮魂した!と宣言したあと、何も起こらなかったからだ。このことからも、祟りとは、人為的なもの、つまり、祟りがあると予言し、ばれないように殺害し、鎮魂をしてもう起きないと安心させる。天皇と朝廷による、こういうマッチポンプだったのじゃないかな」


『ほんまに無茶苦茶ラインこえていくなこの放送w』『いけません!』『そろそろいけませんいうの疲れてきたのだ』『長屋王が怨霊扱いにならないのは実際不思議』


「たとえば、人が死んだあと、祟りじゃー!と叫んでも、なんか言ってらあで終わりだろう?でも、『祟りがくるのじゃ!』と言ったあと、『実際に人が死んだら』それは本当に祟りが起こったと思うだろう?道真を失脚させたあと、祟りということにして時平を疫病で殺したんじゃないかな。俺はこの、疫病を使ってバレないように朝廷にとって害のある人物を暗殺したりする、朝廷の中でも疫病の秘密を共有した特務機関が神話に出てくる八咫烏だと思う。これがタイトル回収ね」


『マジで厨二』『ないないw』『さすがにねーわ』『なろうの読みすぎ』


「時平のあと、源光は狩りの途中で沼に沈んで死亡したから祟りってさ、沼に落ちるのは物理現象でしょw病気や落雷に比べて苦しすぎる。この時、天皇は政権を握りたかったんだよ。それは延喜の治との呼称にもあらわれてる。だから、道真の祟りってことにして邪魔な藤原時平や源平を殺した。で、しめしめと呪いは収まったんだろうと言ってたら、親王が病死した。10年も経ってなのに、また道真の呪いだ!と騒いだ。だから、道真の左遷をといて、”祟りだともう騒ぐな”と知らしめた。だってもう”祟りは起きない”と思っていたからね。ところが、ありえないことがおきた、落雷事件だ。天皇という祟りを司る神の代行者が、直々に赦しを出して道真の呪いを解いたはずなのに、なお、そして最大級のあってはならない清涼殿での死者複数という事件が起きてしまった。だからだよ。死者の数じゃない。天皇の赦し(予定)を超えたから、菅原道真は大怨霊になったんだよ」


『あーなるほど』『長屋王は大仏でおさまったことになったけど、道真は祓われたはずなのにさらに祟りをおこしたから長屋王より上なのか』


「そうそう。東大寺大仏殿は、聖武天皇が何度も遷都してまわって時間稼ぎをして、疫病パンデミックがおさまってから建立したよね。パンデミックをごまかすために鎮魂儀式で、大仏を建立した結果疫病が収まった。といっても、知識があれば単にパンデミックの免疫獲得とわかる。このことからも、疫病に関して現代レベルの知識を得ていたようにすら思えるわけだ。聖武天皇の反乱すら無視しての彷徨五年は天然痘パンデミックがおさまるのをまってた、天然痘パンデミックは免疫獲得がすすめば収まると知ってた」


『さすがにないとおもうんだけど・・・』『凍道の歴史認プロたまんねえのだ』『動機が不明とされる彷徨五年はパンデミックの知識があったから、面白いけどさすがにねーのだ』

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