1-9【第一歩】(1)

「泣きたきゃ泣け!」

なんて俺ってホントひどいなっ・・・



柚希ゆずきにはあんなこと言ったことないのに



何故かあいつと話してると

心が乱れるというか・・・


なんかイライラしてくる。



で、どうしようもなくなって

ついあんな突き放す言い方になってしまう。



でもあいつもあいつなんだよ

いつもしつこいんだよ。



連絡先を交換することになってしまったけど


柚希ゆずきのおかげで収集ついてよかった。



けど・・・少し罪悪感がわいてきた。


連絡先交換したことだし

謝っとくか・・・



承太郎じょうたろう~俺たちの班、

今から修学旅行のスケジュール決めにカフェ行くぞ!」


教室の扉からつかさが呼んでいた


「あぁ」



俺たちの学校は来週から修学旅行だった。

毎年ハワイへ行っている。


自由行動の日があるから

班ごとに何をするのか決めなきゃならない。



「前半は女子と別行動なんだろ?

女の子いないとつまんないよな」


「男だけでビーチとか行くのかよ」


「でもアクティビティーがいろいろあるからそれでいいんじゃね」


「なぁ承太郎じょうたろう



「俺はなんでもいい、ちょっとトイレ行ってくる」


「おう」



ピッコン♪


「ん?」



ピッコン♪


「ん?」ちょっと拝借・・・


「おっ、承太郎じょうたろうのやつしずくちゃんとライン交換したんじゃねーか」 



ピッコン♪


『修学旅行はどこにいくの?』



ピッコン♪


「なんだ、しずくちゃんとこもハワイか・・・」


『奇遇だな俺たちも同じ日にハワイ島に行く

良かったら一緒に回らないか

つかさも一緒だから、そっちも友達連れてきて』 



ピッコン♪


「おっおっけー」


『じゃあよろしく』



「ちょっとまって、悪いけど俺と承太郎じょうたろうはその日二人で別行動することにするわっ! 

アクティビティーはお前たちで楽しんできて!」



「おいつかさ!なんだそれ!」


「あっ承太郎じょうたろう~」 


俺はつかさの手からスマホを取り上げた 



ピッコン♪


「バカっお前!!かってに人のスマホ触りやがって!!」



「ライン交換してんじゃねーか、


もう決まったからな!

楽しくなってきたね~承太郎じょうたろうくん」



「・・・」


「何?また柚希ゆずきちゃんのこと気にしてんのかよ 


この日女子は居ないから大丈夫だって!」



「そういう問題じゃね~お前の仕業だって言って断る!」


「おおお~ちょっと待て!

俺に女の子紹介すると思って・・・」



「・・・」

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