1-7【彼女】(1)

この間、色々動揺しちゃって

連絡先交換するの

すっかり忘れてた!!


わたしはまた、あいつの学校の最寄りの

駅のホームで待ち伏せしていた。




承太郎じょうたろうくん!」



「お前なんで・・・」


承太郎じょうたろうくんは驚いた様子で立ち止まった 



「連絡先交換してなかったから、

ライン交換して!」


わたしは首を傾げながら営業スマイルでそういった。  



「だからお前にはもう関わるつもりはないから、迷惑だ!」



うっ・・・こいつにはこういうの通用しない・・・


わたしは素に戻って


「そんなぁ~

だってポチ見えるじゃない!・・・」


「それとこれとは別だ」



「何が別なの?分かんない」


「悪いが俺には俺の生活があるだ」



そういいながらその場を立ち去ろうとした承太郎じょうたろうくんの袖をつかんで


「なにそれ、友達になるくらいいいじゃない!」


と引き留めようとしたけど




「だからしつこいんだよお前!

いい加減にしろっ!」


とその手を振り払われた。



うっ・・・そこまで拒否しなくても・・・

悲しくなって目が潤んできた。



「泣きたきゃ泣け!」


ひっどい、こいつ!



少し離れたところから

承太郎じょうたろうくんの学校の女子が三人こっちをみていた。


柚希ゆずきあれみて、承太郎じょうたろうといるのあの子じゃない?

この間騒いでた、雑誌のモデルやってるしずくって子」


「うん」




「なんか最近、承太郎じょうたろうにつきまとってるよね

この間も校門で見かけたよっ・・・」


柚希ゆずき?」



その中の一人が近寄ってきた。



承太郎じょうたろうどうしたの?」


柚希ゆずき・・・」



「女の子を泣かすなんてダメじゃない、

ラインぐらい交換してあげたら?」


彼女は落ち着いた笑顔でそう言った

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