1-3【出会い】(2)

そんなある日


モデルの仕事に向かうのに慌てて

駅の改札を通ろうしたら

顔面から思いきり人にぶつかった。



「すっすみません・・・」


と顔をあげると

あの学ラン大男だった!


「あっ!!」


「わりー」



「あの~この間の・・・・・。」


「はっ?だれだお前」


とだけ言って立ち去ってしまった。



『星のかけら』は光ってる!!



わたしはとっさに「ちょっと待って!」

と呼び止めてしまった。



「きみ、『星のかけら』もってる?生れた時に握りしめてなかった?」


「あ?」




「だから生まれた時に、こういうの持ってなかったかって聞いてるの!」


『星のかけら』を出して見せた。



「すみません、変な勧誘には興味ないんで・・・」


「っちょっ!」



遠くから友達が呼んでる。


「お~い承太郎じょうたろう~、こっちこっち~」



承太郎じょうたろうっていうのかこいつ・・・



「わ~時間がない」

今日はしょうがない。



でも間違いない!あいつしかいない時に光った。



わたしは慌てて電車に乗り込んだ。


「ねぇ~ポチ、これが光ったってことは仲間なんだよね?」


「わからん」


「かけらは知らない様子だった」


「んん・・・でもなんかしら関係があるということではないか?」



あかね~聞いて~!!昨日やっと見つけたよあいつ!」


「ちょっとしずく、助けてくれた人に向かってあいつって・・・」



「それが、優しいイケメン王子さまみたいな感じじゃ全然なかったの」


「何?いかついゴリラみたいな?」


「まー顔はイケメンだったけど、なんか嫌な感じだったんだよね」


「なに?話したの?」



「お礼を言おうと声かけたら、変な勧誘だっていって逃げちゃったんだよ


普通こんなかわいい女子高生に声かけられてそんなこと言ぅ?」



「ま~それは健全ではない感じだね」



「でしょっ!今日はあいつの学校まで行ってくる!」


「あきらめないんだ・・・ってことはタイプだったのかな?」



「タイプと言うかま~ちょっとねっ。

あかねも付き合ってくれない?」


「行ってあげたいけど・・・ごめん。今日は習い事があって」



「わかった一人で行ってくる!」



今度は目立たないようにマスクして

あいつの学校の正門で待ち伏せすることにした。



広い敷地に立派な校舎

ここって幼稚舎からあるんだよね。


なんかうちの学校と全然雰囲気違うなぁ・・・

と感心してたら


見つけた!



承太郎じょうたろうくん!」

声かけたが無視された。


「ちょっと~無視すんな!」



「あっ?お前昨日の・・・

悪いけどほんと変な勧誘には興味ないんで」



「違うってば、電車で助けてくれたお礼をいいに来たのっ!」


「はぁっ?」



そこに彼の友達らしき人が来た。

「なになに、承太郎じょうたろうの知り合い?

チョーかわいいじゃん」


これが健全だ!



「知らない、多分ストーカーだ」


・・・はぁ~何て言ったいまぁ?



「俺たちこれからカフェ行くんだけど一緒に行かない?」


「おい!おまえストーカーなんか誘うな!」


こいつっ!



「行くっいく!ご一緒させて頂きます!」

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