ただの幼馴染ものでは終わらない、痛みの濃い恋愛作品でした。過去の事故で生まれた傷と、「これからも仲良くしてほしい」という言葉が、救いであると同時に呪いにもなっている構図がとても印象的です。登場人物の感情が一方通行ではなく、優しさも執着も罪悪感も全部絡み合っていて重いのに、するすると読まされました。静かな筆致なのに心を抉る力が強く、読後にじわじわ効いてくるタイプの作品です。