第4話 警察

震える手で110番に「黒い煙を見た」と通報をした。


しかし警察署にも大量に同様の悪戯が寄せられており、既に私の情報は何の意味もないように扱われた。


仕方なく、重い足を引きずって単位のために大学に行き図書館に入る。


何気なくそこらにあった本を取ると記憶が流れ込んでくる。


一冊の本・子供・箱


子供が箱に話しかけている。


小さな子は見覚えがある。ひどく泣いている幼い頃の私だ。


「ねぇ、あの子嫌い」


おぼつかない足取りで地面に置かれたお道具箱に話しかける私。

あれは誰もいない教室。

なんで忘れていたんだろう。


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