第15話 チームアメリカ的な








  ネクストバッターズサークルを間違えたナギ姐は、ベンチの俺たちを笑いの渦へと巻き込み、勝てば今日のヒーローインタビューは決まりだ。


 ナギ姐自身も気付いていたけれど、知らないフリをしていたが、クソチビポメ柴に言われて自身もツボに入ってしまい、しばらくバッターボックスに入れる様子もない。


『……ザザッ……ピンポンパンポーン……只今、チーム俺たちの明日はわからないのコウサカ選手が、笑いのツボに入った為、一時試合を中断致します』


「「「「「「「HAHAHA!」」」」」」」


 エンタメ全開のバナナボールに対する熱は、放送部が悪ノリするレベルであり、東方共栄学園はいったいどこへ向かっているのか?


 前前世よりもファンキーな生徒たちの自主自立、そしてなによりもフリーダム過ぎるんだが、変に厳しいよりもよっぽどいいことだろう。


『……コウサカ選手が復帰するまで、本日の生徒からのリクエストにお応えいたします。1年C組のイナ ヨリカツ君より、DVDAのAmerica,F*** Yeah をお送りいたします……センパイ……コレ、Fワードメッチャハイッテマスケド、ナガシテオッケイデスカ?……アッハイ……あら失礼致しました。それでは皆様お聞きください、America,F*** Yeah を……』


「「「「「「「HAHAHA!」」」」」」」


 とりあえずナギ姐が落ち着くまで、気を利かせてくれた放送部が、いつのまにか兄貴がリクエストした、ナギ姐にぴったりな登場曲を流してくれるようだ。


 ぴったりというか、ひたすらクソ最高! とコールする感じなので、頭の中を空っぽにして叫べばいいんだよ!


 ナギ姐、ジェニファーが興奮したときに思わず出てくる類の下品なFワードで強調した、喜びや共感性を乗せていこうぜ!


 そのうち俺たちも曲に合わせてアレンジする訳で、ベンチは明るいったらありゃしない。


「KASUGA!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 俺の前前世、前世の苗字もクソ最高!


「WIiiiiLLA!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 ウィラはチャーミングなジト目が特徴的な、綺麗で美しくてクソかわいくて最高!


「NAaaaaGI!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 クソデカナギ姐もクソ美人で最高!


「KAZUSA!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 カズサさんも美人だけど性格がクソッタレだ!


「HINAKO!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 クソチビポメ柴も最高!


「IiiiiNA!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 兄貴も最高! 後半になるにつれて雑になる!


「JENNIFER!」「「「「「F*** Yeah!」」」」」


 ジーザスのクソッタレ! ジェニファーもクソかわいいぞ!


「LATINO!」「「「「「……Who Are You!?」」」」」


 そして本作名物、ラティーノは風と共に去りぬ……いや、誰だよお前!?————。







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