【号外】目からウロコが落ちた話

 連日の号外で申し訳ありません。通勤途中に聴いているポッドキャストの番組で目からウロコの体験をしたので、ここに書いておくことにしました。


 ジェボンズの逆説パラドックスって知ってます?


 先日、中国のスタートアップが格安AIモデル「ディープ・シーク」を開発したというニュースを知っている方も多いと思います。この「ディープ・シーク」が発表された後、市場ではこれまでAI需要のため高値を続けていたNVIDIA(エヌビディア)を中心としたハイテク株が軒並み下落しました。安い「ディープ・シーク」が現れたため、ハイテク株の会社が前からなくなるだろうという投資家の判断ですね。


 ところが「ディープ・シーク」の登場で需要がなくなると思われたこのハイテク株が、数日のうちに値を戻し、さらに値を上げる様子が見られたことから『ジェボンズの逆説(パラドックス)が現れた』と投資家のあいだで言われるようになっている――っていう話。


 ジェボンズの逆説パラドックスとは、英国の経済学者ウィリアム・スタンリー・ジェボンズが提唱したとされ、ある資源の利用効率が向上すると、その資源の使用コストが下がるため需要は減少するように思われるがそうではなく、効率の良さのためにかえって需要は増加する――という考え方らしい。


「ああ!」


 ポッドキャストを聴いていて思わず膝を打ちましたよ(車のハンドル握れよ、あぶねーな)。ここ10年来、仕事でわたしを苦しめているものに名前があったんだと、目からウロコが落ちる思いでした。


 うちの職場は、ここ十数年ですごくIT化が進みました。手書きしていた書類をパソコンから入力したり、電卓を片手に統計の数値を計算するともうひとり別の人と合わせてダブルチェックしていたものを表計算ソフトであっという間に仕上げたり、仕事の効率は飛躍的に上がったのです。


 以前はふたりがかりで一日かかっていた仕事が、いまはひとりで30分もかからずにできてしまうといっていいでしょう。単純に考えると、8時間×2=16時間かかっていたものが、30分でできる――ということは、二人合わせて15時間30分の時間的余裕ができるはずですよね。パソコンを使えば職場で遊んでられる時間が増えるわけだ。


 しかし、実際はそうではありませんでした。遊んでいられるどころか、次から次へと仕事に追われ、遊ぶどころではありません。なぜか? 仕事の効率が良くなった分、一日にこなさなければならない仕事の量が増えたのです! パソコンを導入すると職員の仕事時間に余裕ができると思ってIT化を進めたはずが、逆に時間あたりの仕事量を増やす方向にIT化は働いたのでした。


 まさにジェボンズの逆説パラドックス


 いまも職場では仕事を効率的に進めようと、IT化、システム化が推進されています。少子化のあおりで採用できる職員の数が増えるとは考えにくいためです。でもねー、高度なシステム化やAI化が職員を幸せにすることはないんじゃないでしょうか。むしろ非効率でアナログな仕事の方が時間がかかるとしても、人間的なんじゃないでしょうか。最近とてもそう思うんですよね。。。

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