始まりと終わりがとてもきれいに描かれていて、手紙の受け取り手がゆっくりと送り主の事を知り、好きになっていく過程が丁寧に描かれています。また、「もののあはれ」とでも言いましょうか、結末に桜のような儚さを感じました。短くさっくりと読むことができ、後味もよい作品です。
色々と書こうと思っていたのですが、ネタバレになってしまうので辞めました。手紙の部分はあることないこと増やしつつ、もう少しボリュームがあるといいと思いますが、この小説の良さはラストに詰め込まれていると思うので星3つにしました。煌びやかな世界が一瞬で琥珀色になる瞬間を、どうぞ体験して下さい。
あまり恋愛小説は読まないのですが、あっという間にさらさらと読むことができました。もしかしたら人によっては先の展開が読めてしまうかもしれませんが、この物語はそういう部分を意識しているのではなく、ある意味ではこの小説こそが作者から読者への手紙なのかもしれないなと一人考えてしまいました。素敵なラブストーリーでした。
ほんのりと懐かしいアルバムを開くように綴られる物語は、淡いミステリーを含み、淡々と過ごす主人公の心に色を添える。誰もいない校内、誰も知らない誰かから届く手紙には、一体どんな意味があるのか?ラストに待つ、淡雪のような儚さは諸行無常である。想い願う結末は、散り急ぐ桜の花びらを描くように締めくくられていました。
知らない相手からの手紙。声も顔もわからない。手書きの文字と文面だけ。別に珍しくはない惰性で生きる主人公の高校生。特に興味のあることも無い。毎日届く、知らない相手からの手紙。無機質な日常のささやかな幸福。恋愛のお話に人が惹かれるのは、みんな、恋に恋しているからなのかな。ステキなお話を読ませていただき、ありがとうございました!
スマホで慣れてしまったけどしみじみ懐かしいなぁって気持ちにさせてくれる!
ネタバレは控えておきますが、ネットが普及した現代で手紙のやり取りをするラブストーリー、この作品を最後まで読むと「な、なんと……」と思いたくなる展開が待ってます!