読了したので書きます。
可愛いの追及。それが綺麗な人になりたい少年の想多と、カメラマンのシンディが「女装」によって目指すというのが骨子。そして、「孤独」が2人の抱えている共通するものでした。
だからこそ、印象に残るシーンが多いです。
まず、想多とシンディのやりとりですね。孤独を抱えている者同士が「美」という共通の目的を持ちながら作業をしている。
距離は近くて心は開いている。何気ない会話の中からもそれを感じ取れます。それ故に、両者が持っている「孤独」が読んでいると棘のように突き刺さってきます。
次に1つ1つの描写が丁寧なところですね。先述している個所と一致するところですが、化粧のシーンと撮影のシーンを余さず書いているところです。しかも、最後へ近づいていくと描いていく「綺麗」の形もまた姿を変えていくのが、「美」を追及している者としては唸るばかりでした。
必ずしも抱えているもの全てが一致しない。気づいたら脆くて危ういというのがよく分かる話であると同時に、であるからこそ美しいと思う作品でした。
『光の下に出れないボクらは。』は、「光の当たらない場所で、どうにか呼吸を続けている子たち」への、限りなく優しいまなざしを持った物語です🌙🕊️
主人公・想多は、学校にも「普通」にもなじめない男の子で、彼が唯一、自分の輪郭を保てるのは、アトリエで出会ったカメラ女子・シンディの前だけ📸🌲
シンディもまた、明るく振る舞いながら心に傷と孤独を抱えていて、二人が共有する時間は、世界から少しだけ切り離された“仮の安全地帯”のように描かれています🎭💄
この「世界から逃げた場所」に漂う静かな安心感が、とても心に沁みました💔🌙
二人の時間は永遠ではなく、むしろ儚くて、不安定で、いつ崩れてもおかしくない。生きづらさやジェンダーの揺らぎ、静かだけれど力強い作品です🪞💡