神田会長と新聞部の鉄哉は、名探偵とそれを取材する人間という、まさにホームズとワトスンのような関係性のため、親しみを持って読めるミステリーファンは多いのではないでしょうか。
本作で描かれる事件は、殺人などの大きな犯罪ではなく、学校内で起こる日常のトラブルとなりますが、このような身近な問題を題材にすることで、読者が感情移入しやすく、解決への過程を一緒に考える楽しさがあるなと思いました。
また文体も軽妙で読みやすく、会話のテンポが非常に良いです。鉄哉の視点で語られる物語は、適度なユーモアを含みつつ、物語の緊張感を損なわないバランスを保っていると思います。導入部で事件の概要を説明し、調査、推理、解決という流れが明確で、迷うことなく展開を追えるのも魅力でした。