第11話
試合が始まってからは絶好調だった。
バレーのことになるとそのことだけに集中できるしさ。
ほんと自分が怖い。
はぁ。疲れた。なんだかんだ言っても夢中になって勝っちゃうとそうとう俺もバレー好きだな。
「おい帝。やっぱり勝つんだな。」
とやってきたのは拓真。
ここは体育館の非常口の扉を開けた石の段差。
そこに俺は腰掛けてる。ちょっと休憩ね。
「拓真全然本気じゃなかっただろ。」
「ハハ、バレてた。セッターは帝じゃないとな。
でもま。二位だしいいんじゃね?」
もう少し本気でくれば…。いや俺は楽しいけど他の奴は楽しくねーか。本当拓真の方が周りが見えてるわ。
「俺さぁ拓真に…」
「おい表彰始まるぞ大野と早瀬サボってんなよ。
はよ行け。たくいつもいつも」
俺いい子だと思ってたのに拓真と比べれば。
「何となくなに考えてんのか分かるけど早瀬お前自覚ないだけだぞ。俺は困ってるが、頼りにもしてる。
だからはよ行け」
何かうまく流された。
「行くぞ早く部活がしたい。」
「あぁ。そうだな。」
本当おまえ部活好きだよな素直にそういう拓真になぜか
恥ずかしかった。
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