第6話、シルン
”ホウセンカ”を”ゲッカビジン”に
飛行艇空母”キサラギ”は、シラフル湖の近くに来ていた。
「うわああ、広いですね~」
ファラクだ。
”キサラギ”の外部通路に出ている。
「ああ」
イオリが隣にいた。
余りに格納庫から出てこないから、ファラクにひっぱられてきたのだ。
「たまには、外の空気を吸うのもいいでしょう」
ファラクがイオリににっこり笑いかける。
「そ、そうだな」
”キサラギ”がシラフル湖に近づいてきた。
少し離れた所に小高い丘が見える。
「サクラが奇麗だね~」
丘の上にはテーブルと椅子があり、その周りを八人くらいの子供と、人の男性、銀髪のハーフエルフの女性がいた。
「あれは、シルン領主のトウバ様とシルファヒン様だよ」
イオリが言った。
◆
飛行艇空母”キサラギ”は、領都”シルン”に到着した。
湖のほとりに面している。
少し離れた所に、小高い丘と侯爵家の館。
その近くの湖に、飛行艦の港がある。
港と言っても、飛行艦を湖に浮かべて桟橋(さんばし)をつけたものだ。
「(飛竜飛行艇二段空母)”ミナヅキ”は帰ってるみたいだよ~」
”キサラギ”に負けず劣らない巨大な空母が湖のほとりに浮いている。
「”シュリンプ・オブ・シラフル”は出てるみたいだね」
シルン領が
”ミナヅキ”と同じ、ムツキ級飛竜空母を改造している。
”ミナヅキ”のとなりに、”キサラギ”を着水させた。
◆
小高い丘の上だ。
「ただいま~、セバス~」
メルル―テだ。
「お帰りなさいませ」
ハーフエルフの老執事”セバスティアン”がきっちりとした礼をする。
シルファヒン付きの執事だ。
「お帰り~」
「お帰りなさい」
トウバとシルファヒンが並んでこちらに来た。
「お世話になりました」
イナバが頭を下げた。
「父様、母様、お帰りなさい~」
三人の子供がイナバとメルル―テの元に走ってくる。
飛行艦に乗ってる間、預けていたのだ。
「寂しくなかった~」
イナバとメルル―テは、三人の子供を膝をついて抱きしめた。
トウバとシルファヒンは少し離れた所で見守っていた。
二人は、今5人の子供がいる。
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