第16話「謎の黄金騎士、登場する」
当然だ。
トラップがないことはメリダ自身が確認しているのだ。
なのに、どうしてこんなことが起こるのだろう。
地面には穴が空き、空中には
まるで、巨大な力を地面に
その現象はカイトがいた場所で発生していた。
あの
カイトがどうなったのかも……わからない。
「……カイトさま。カイトさまぁあああ────っ!!」
メリダは
カイト・キリサメは浄化の能力を持つだけの異世界人だ。
彼にこの世界を救う義務はない。
彼はむりやり
それでもカイトは一緒に来てくれた。
士気を上げるために、魔物食という文化を生み出してくれた。
戦いの意味を理解して、後ろでメリダたちを見守ってくれていたのだ。
「……この
メリダは必死に走り続ける。
カイトのいた場所の地面は吹き飛んでいる。
それでも、走らずにはいられない。
この有様だ。カイトは生きてはいないだろう。
それでも、
それがメリダの役目なのだから。
その後でメリダは魔将軍パナケラスと戦う。
勝てなければ死ぬ。それでいい。
イングリッドにカイトの死を伝えるのは、他の者の役目でいい。
「カイトさま!! どうか、返事をしてください。カイトさま! カイトさま────っ!!」
「………………トォ!!」
なんの
「…………え」
メリダは思わず目を見開く。
騎士がまとっているのは、光り輝く黄金の
鎧は騎士の全身をくまなく
中の人間の顔はわからない。
黄金の
手には巨大な
その
触れたら即座に吹き飛ばされそうだ。
騎士がまたがっているのは、金色のたてがみを持つ竜だ。
大きさは、馬よりもひとまわり大きいくらい。
背中には2枚の羽がある。
竜の
主人に近づくものすべて
その圧力に、メリダは思わず後ずさる。
「……あ、あなたは!? いえ、カイトさまは!?」
「……バルガス・カイトは……私が助けた」
少しくぐもった、
「彼は私が助けて、安全な場所に移動させた」
「ありがとうございます! それで、カイトさまはどこに……?」
「安全な場所だ」
「は、はい。そこは一体……?」
「安全な場所」
「…………」
「ここからは少し離れている。人の
「…………は、はい」
早口だった。
教えてくれる気は、なさそうだった。
「そ、それで、あなたは──」
「『
騎士の答えは短かった。
「邪悪な魔力を感知して
言葉を途中で断ち切って、『
『神竜騎士』は魔王軍に向かって突進していく。
聞こえるのは竜のいななきだけ。
その背中に呼びかけようとして、メリダは
名前を呼んではいけない。
黄金の
というか、他に考えられない。
それでも、その名前を呼ぶわけにはいかない。
メリダはカイト・キリサメの忠実な
彼が
おそらく彼の能力は、命の危機に
その状況を招いたのはメリダのミスだ。
彼女は誰よりもカイトの近くで、彼を守るべきだった。
なのに『
それどころか、兵士たちを守るために敵に向かって行った。
そんな彼になにを言えるだろう。
メリダにできるのは、彼の意思に従うことだけだ。
「『
だから彼女は
「そこにいらっしゃる
メリダは天に向かって
身体が熱い。
心が、
こんな気持ちになったのは初めてだ。
「そして!
「「「うぉおおおおおおおおおっ!!」」」
『
「俺たちのカイトさまはご無事だ!!」
「
「謎の騎士か!! 納得だ!!」
「ああ! 正体はまったくわからないな!!」
「わかるものか! 謎の『
「許せねぇのは……魔王軍と魔将軍だ」
「ああ。
「ぶち殺してやる!」
「いや、殺すだけじゃあきたらねぇ!!」
「「「…………食ってやる」」」
戦士たちの眼光が、魔軍の兵士たちを
その
まさか王国の兵士たちが、自分たちを食料として見てくるとは思わなかったのだろう。
「「「われら『
『ギィィィ!?』
『ひぃぃぃぃぃっ!?』
『グガァアアアアアッ!?』
『食わせろ』『食ってやる』『食い尽くしてやる』の言葉を聞いて、魔物たちの身体が
そして魔軍の動きが止まった瞬間──
『
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