第25話

意味が分からずドレスの前でうーんと唸っていると、お父様が部屋へとやってきた。


「アレス君から色々届いたんだってな。」


『はい。お父様。でも、このドレス派手じゃないでしょうか。すべて青色なのです。私あまり青色のお洋服は着てこなかったので心配です。』


「メリアなら何色でも似合うと思うが、アレス君も本気だな。」


『本気?なんのことですか?』


「なんでもない。せっかく貰ったんだ。明日のパーティーはこれを着て出なさい。」


『私もそう思っていましたわ。』


「そうか。流石私の娘だ。」


そういってお父様は私のおでこにキスを落とすと、ご自分のお部屋へと戻って行った。


『でもこれって全部身に付けたら海になってしまいそう。アレス様もなぜこんな色を選んだのかしら?』


「アレス第1王子殿下も本気だからじゃないですか?」


『あら、ユルリッシュいたのね。お父様も言っていたけど、本気ってなんの事なの?全然分からないのだけど。』


「本当に分からないですか?お嬢様?」


『えぇ。さっぱり。』


「ならご自分でお考えください。明日になれば流石のお嬢様でもお分かりになると思います。私はお気づきになったお嬢様がその時どう思うかがとても楽しみです。」


笑顔で話すユルリッシュ。その時の私の気持ちって本当に回りくどい言い方しか出来ないのね。結果なんのことか分からないじゃない。

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