第17話

アレス様を庭にお連れしようと思いましたが、さすがに失礼かと思い直し応接室にアレス様をお連れする。そもそも立ち話をしていたのも問題なのに、そのまま連れまわしたことがお父様にでも知られたら何を言われるか分からない。


『こちらでお茶にでも致しましょう。』


「本はいいのか?」


『アレス様を置いといて1人遊んでいる訳にもいきませんので、後ほど読みますわ。』


「俺のことは気にしなくていい。庭に行こう。君のお気に入りの花々を見せてくれ。」


『何故私がこの庭を気に入っていると?私、王子にお話したことありましたか?』


「昔にあなたが楽しそうに水をやっているのを見かけたことがあったからな。その時の君はとても楽しそうだった。」


まさか見られているとは思いませんでした。お父様に用事があってお越しの際に見つかってしまったのでしょう。


それ以外の時は私が【一応】お会いしていましたから。嫌がられてましたけど。


「庭には行くのか?本を読みたいのだろう?」


『ですから、本当に暇ですわよ?良いのですか?』


「あぁいいさ。のんびりするのも悪くないだろう?」


絶対に楽しくなはずなのに、行くように勧めてくださる。まぁ、アレス様の許可も頂きましたし遠慮なく読ませて頂きましょう。


『それでは行きましょう。』


「あぁ。」


すこしテンションが上がった私は、先ほどとは違い足取り軽く庭へと向かった。


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