神社
駐車場に停まってすぐ、転がるように車を出た。砂利が近かったので、かなり小さかったと思う。
それから私は、痩せて骨ばった手に軽々抱き上げられ、オレンジ色の袈裟を見下ろした。黄色かもしれない。砂利が遠かった。剃った頭も見下ろした。当時の私はこれをハゲだと思っていた。
いずれにせよ、その違いは私の彼への好意に影響を与えなかった。たぶん初恋の君。
私は白熊神社(仮)に行くのが大好きだった。神社の敷地は広大で、私にとってはちょっとした異界だった。何より、白熊神社(仮)のお坊さんに会うのが好きだった。
神社であるのに、お坊さんがいることに疑問に抱く余地は幼い私には無かった。神社と仏閣に違いなど無かった。また、神仏集合の概念も無かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます