鉄機 -The Iron Coffin

さばのねこみ

-Day 2-

死は常に隣にいた。彼女がコクピットに乗ろうとする直後、銀色のスライムのような生体『侵略者』が背後から奇襲を仕掛けていたのだ。


「……どうして」


彼女は私に驚愕の表情を見せながらそう言った。私が彼女を押し退け、侵略者の攻撃から護ったのだから。


私はシェルターの中を確認し、彼女をコクピットへ押し込んだ。


「もっと、世界の景色を見てみて欲しかったんだ」


多分、私は微笑んで、コックピットのロックを外部からかけた。


「確か、お前たちは熱に弱いんだってな」


シェルターに空いた穴からは、熱が依然として放たれていた。


「まって!」


私は、自分ごと侵略者を焼いた。焼ける感覚など既に無く、マリーの悲痛な叫びだけが鮮明に聞こえていた。


そして、違和感を覚えて瞼を開いた。

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