有栖川キャロンは変態淑女である。
それも下心丸出しの、対象相手に欲望を隠そうともしない正真正銘のそれである。
筆舌に尽くしがたい妄想にふけり涎を垂れ流し、自室のクローゼットには子供服がびっしり。おまわりさんこいつです。
ただしそこは主人公、YESちびっ子NOタッチの境界線を決して踏み越えることなく、為す事は保育園でのボランティア。その内心とは裏腹に行動は文句なしに聖人善人の類。
そこに現れたのは毒牙にかけてくださいと言わんばかりのランドセル少女くろのちゃん、ツンツンと生意気な小学生にキャロンの愛が暴走する!!
舞台は数得市(かぞえし)、平和で豊かな理想郷。だがそれは<ワンダスト>と呼ばれる隔離区域の犠牲の上に成り立つものだった――――
テンポの良い文章、計算された起承転結、好感の持てる主人公、そんな基本を押さえつつも紡がれる物語は全くもって普通じゃない。
ディストピアに抗う変態淑女の生き様、とくとご覧ください。
現代よりもディストピア化が進行してしまった世界で描かれる、ラブコメ作品です。
主人公は上流階級側の街に暮らす一般人。ただしそれ以上の補償は何もなく、アルバイトで生計を立てています。
そんな彼女の生きがいは、下層側の街で行う保育園のボランティア。
趣味と実益を兼ねてこそいますが、一線を越えることはあらず。
息苦しい上流階級の生活を一時でも忘れられるため、主人公は喜んで奉仕活動に精を出していました。
そんな主人公が出会ったのは、下層民であるにも関わらず上流学校に通う一人の少女。
その愛らしさに目を奪われた主人公は、何かと理由を付けて世話を焼くようになります。
そして知ったのは、彼女が上流学校に通うことになった悪意を凝縮したような理由。
主人公はこの先、少女とどう向き合っていくのか。
ぜひ読んでみてください。