第4話ママ

「ティア!ステラティア!」

バタンと勢いよく扉が開かれる

(わぁ…綺麗な人)

紅の鮮やかなドレスにそれに負けない輝くようなブロンドの髪、そしてなにより目を引くほどの美しい容姿。目鼻立ちがくっきりとし、そこに儚さを感じる長いまつ毛、まるで絵画の中の人物がそのまま外に出てきたみたいだ。

顔に見とれていると目が合う。

(なんだろう、なんだか安心する)

「ティア…!」

膝を折り目線を合わせてくれる。

知っている、私はこの人を知っている

「ママ…」

「ひぃ」

驚いたのか悲鳴のような息を飲む

「ティア、ママのことが分かるの…?」

指で自分を指すジェスチャー、これも知っている!

「ママ、ママ!」

言葉を吐くと同時に激情が体をほとばしる。

「ママ、ママよ!あぁティア!私のステラティア!」

全身を包むように抱きしめられる。

暖かい、涙が溢れてくる。

「ママぁ!ママぁ!」

そうして私が疲れ果てて眠るまでママは私を抱きしめてくれた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生先はお嬢様 @gaiatukiatu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ