FAKER LORD

朝槻 海月

FAKERまたは、全てにおける導入部

??? ???

『ニュースの時間です。


 本日未明○○県○○市のあるコンビニに一台の乗用車が衝突する事件がありました。


 また、この衝突により20代の男性が意識不明の重体で病院に搬送されました。


 車の中には人はおらず、勝手に動き出したとのことです。

 警察は事件性があるとし、捜査を進めています。』






「君は……という存在を知っているかい?


 いや、別に答えなくていい。これは、私の独り言なのだから。


 つまり、君が【はい】だろうが、【いいえ】だろうがどちらでも結果は変わらない。


 ……、そう呼ばれている彼らは私たち人間に害を為そうとしている。 


 でも、彼らは人間と同じ姿かたちをしている。


 厄介な話だよな、まるで心霊話に出てくるドッペルゲンガーみたいじゃないか。


 でも、彼らは一つだけ、私たち人間とは違うところがある。


 影がないんだ。


 この星の元に生まれ出るすべての事象は、生物たちも、光を遮り影を作る。


 だけど、彼らはその枠組みから外れている。


 それは彼らも知っているから、夜にしか行動しないんだ。


 でも、君の前には姿を現した。一体何でなんだろうね。」





~???~


ミツケタ。ミツケタ。

我らの王よ。


スクッタ。スクッタ。

我らの夢を。


ツムイダ。ツムイダ。

我らの話を。

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