第4話 狼イケメン

なんか医務室の前でイケメンが騒いでるから帰らせて貰おうかな〜っとその場を離れようとしたらイケメンの矛先がこちらに向いてきた。


「それで明を担ぎ込んだというのはお前だな?嫁入り前の肉体をベタベタと無遠慮にまさぐったのであろう!その歪んだ性根、この俺が正してやる!」


「いやぁ、そんな事言われても別に感触を楽しみたくて背負ってた訳じゃないし。そんな風に言われるなら駅に置いて来れば良かった」


「倒れた明を駅に放置するつもりだったのか!尚更許せん!表に出ろ!叩き切ってやる!」


 真正面から俺の事を蹴飛ばして来るイケメン。

 廊下の窓から中庭みたいな所にぶっ飛ばされゴロゴロと地面を転がる俺。


「用意は良いか!ゆくぞっ!」


 俺は慌てて振り下ろされる刀から逃れる。

マジかよポン刀出して来やがった!漫画みてぇだな!


「樺地くんコレ使って!」


 優太がこちらに板を投げてくる。板ってか盾か。


 盾を拾い構えるとイケメンがニヤニヤとしだす。そんな構えを取るなんてコイツ素人か?みたいな顔だ。なんかちょっとムカついて来たな。


「問答無用で切りかかって来てニヤニヤしてんじゃねぇよ。惚れた女に見栄張りたいだけだろ?俺をダシにするんじゃない。俺に勝ったからって何になるんだ?」


「俺の誇りになるに決まってるだろ?」


 ぴきり

 ただ好きな女を担ぎ込んだのが自分じゃないからってこんな事するか?

 ふと周りを見るといくつもの目がこちらを見ていて、あのイケメンは俺じゃなくてその目に意識が向いているようだった。


「なるほど。お前はそんな感じの男か。そんな事だからお前はあの女に相手にされずに、肝心の女は優太なんて男に靡いてるんじゃないのか?俺をピエロに仕立てたからってお前がピエロじゃなくなるなんて事にはならないんだぞ」


「ナメるなよッッ!」


 ビュッ!日本刀が腕に食い込む。目にも止まらない速さの踏み込みから放たれた斬撃がガードして盾ごと俺の腕を切り裂く。案の定目で追えて無かったからいきなり目の前にイケメンが現れてビックリした。だが骨で止まったな。ザックリ行かれた左腕に力を入れて、右腕はイケメンの手の上から刀の柄を握る。


 そして超至近距離だからイケメンの足の甲を思いっきり踏んづけながら刀を握る指を握り潰す!


「うぉぉ!さっき覚えたカバのチカラァァァ!」


 ベキベキベキ!と嫌な音がする。足袋は真っ赤に血に染まっていた。


「次からは安全靴履いておくんだな!ボケが!そして人を勝手に当て馬にするんじゃねぇその細腕をへし折るぞ」


「ぐぅぅぅぅぅ!俺は未来の祓狩師の頭領となる男!頑丈なだけの有象無象になど!」


 イケメンの中からエネルギーが爆発的に湧き出て衝撃で吹き飛ばされ…………ない!!!

 バトル漫画とかで仕切り直しになるのアレ個人的に嫌いなんだよね。最初は良いんだけど、何回かやられたらグダグダ感のが感じるし。


 だから吹き飛ばされそうになった瞬間、握り潰してたイケメンの手にカバのオーラを集めて離さない様にして、足は柔道の足払いする様な体勢で相手の足に自分の足を巻き付けた。


 フハハハ!これなら仕切り直せまい!


 服がボロボロになったが、なんとか衝撃波に耐えた!賭けに勝ったぞ!と思ったらなんか狼っぽくなったイケメンに首筋に噛みつかれた!


「グルルルルルル!負けを認めろ!!!!」


 負けじと俺もイケメンの首筋に噛み付く。負けてたまるかよカバの咬合力は一トン!狼は600キロだろ?半分強程度のパワーで噛みつきに敵うかよ!


「ガバババババ!なんでイチャモン付けて来た奴に頭下げなならんのや!」


 冷静に考えるとコレサバンナの戦いみたいだなお互いに噛み付いて動かないの。バトル漫画とかだと塩にも程があるで。まあシン・仮◯ライダーみたいなのもあるけどもさ。


「もうその辺で良いだろう。醜態を晒し過ぎだぞ狼仁。丸州くんと言ったな。俺は雄三という。甥っ子が迷惑掛けた様ですまない。だがきみが今言ったカバのパワーの説明がしたいからこっちに来てくれないかい?もちろん、治療をしてからさ」


 優太の叔父らしき男が現れたからここらが手打ちか。と思う。だが狼イケメンは離れない。


「あ、ありがとうございます。すみません門下生とケンカになってしまって。今行きますね」


 向こうの方で濡れタオルを持ってオロオロしてる女の子が居る。可愛いなぁ(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)

 だが狼イケメンは力を緩めてくれない


「すんませんちょっと立つのに手間取ってしまって。オイコラ俺もこれ以上するつもりは無いんだからお前もみっともない真似すんなや。力を抜いた瞬間一撃入れようとしてるだろ?先に手を離せや。それとも2度と刀振れない手首にしてやろうか?」


「グルルルルルルル」


 俺はザックリ切られはしたが多少動く様になった左腕で狼イケメンの前髪を掴んで引き剥がす。


 すかさず雄三さんが首トーンして狼イケメンを回収して行った。


 負けん気がつよいのは良いことだろうけど、過ぎたらみっともないんだよなぁ、アホじゃ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒポタマジン コトプロス @okokok838

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ