第4話 3式削岩掌 地割空破
家に招き入れてお茶を並べる。まぁ、お茶でも飲んでゆっくりしていけよ。
湯呑みに麦茶をどっぽどっぽと注いで、ボウルにアソートパックのお菓子をザラァ!とぶち撒けて目の前にドン!と置く。
「ヒスイさんは良い所のお嬢様みたいな雰囲気なのに、アンタそんなんで良いの?」
後ろから覗き込んでいたベリルが茶化してくる。まあいいじゃんそういうのは。
「友達がうちに来た!始めて!やっぱドノウは優秀!ピザとろうピザ!いろんな味のやつ!」
ヒスイがチラシを片手に興奮した様子で電話をかける。(´;ω;`)ブワッお嬢様………おいたわしや…………
ピンポーン!
やけに早いな。
「早すぎない?今電話し終わった所「ピザキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」あっちょっと待て!」
ヒスイがガチャリとドアを開けるとドアの向こうから拳銃が覗いていて、ヒスイの顔に銃口が向けられていた。うぉぉ!間に合え!ナックルバスター!!
右手の手袋の下で機械が唸りをあげて衝撃波の弾丸をドアにぶち込む。
ドアごと襲撃者がぶっ飛んで行くが、さらに3人、マスクを被った黒ずくめの男達が銃をこちらに向けていた。
「お前ら、反ドワーフ派か。思ったより早かったな。ピザが来るまでに済ませてやろう。」
「何がピザだ。そこのミュータントを回収させてもらう」
背後でガシャアン!バリィン!とお皿の割れる音がする。裏口からもか。ベリルとヨウジは大丈夫か?!
「ははっ、俺だけに注目してていいのかな?後ろから俺の仲間が来てるぞ?まあ背中を向けた瞬間に貴様は鉛玉を浴びるだろうがなぁ!」
「おおーい!ドノウ!なんか侵入者が来たからシバいといたんだがなんなのコレ!」
「ヨウジすまん!表にも居る!ちょっと待っててくれ!」
「クソッ!タダのガキじゃねぇのかよ!」
ズダダダダ!と弾丸の雨が降ってくる。俺はあらかじめ鉄板を仕込んでいた靴を入れる戸棚の扉をもぎ取り、盾にしながらテロリストに衝撃波を放つ。
テロリストの1人が何かを投げ込んで来る。
手榴弾かよ?!住宅地だぞここは!イカレてんのか!
しかし手榴弾は空中で長い鞭により男達の方へと弾き返される。爆発するが煙が辺りに立ち込めて周りが見えなくなる。発煙弾か?!
「お困りで?SPさん。でも甘いんじゃないの?」
ベリルが腰に巻いていたベルトを片手に得意げにしていた。た、頼りになる。階段の裏で震えてるウチのお嬢様とは段違いだなぁ。
ピクリ
「んん〜?誰が誰とは段違いに役にたつってぇ〜?!私も役に立つの!ドロボウネコにいい顔させないっ!来て!ヴォルフガングエーデルシュタイン!!!」
地下のSS格納庫の番犬として置いていた犬型SSの「ヴォルフガングエーデルシュタイン」がガレージを突き破って現れる。見た目は犬どころか虎みたいなサイズと色をしていて……今というかストレートに黄色と黒のストライプが眩しいメカ虎だ。
ソイツの背中がバカリ!と開くと中のフィンが高速回転を始めて物凄い勢いで空気を吐き出す。たちまち立ち込めた煙が掻き消されるが、男達は少し離れた所にある黒塗りのバンに乗り込んで逃げようとしている所だった。
「逃がすか!」
俺は黒塗りの車の前に躍り出る。テロリストはアクセルを強く踏み込んで俺を跳ね飛ばして逃げる気だな?
「邪魔だァ!お前だけでも死ねぇ!」
「はぁぁぁァァァッ」
唸りをあげながら俺に向かって突っ込んで来る黒塗りの車、ぶつかる………ぶつかる………今ッ!
「3式削岩掌ォ!地割空破ァァァ!」
俺のサイボーグ化している右手が唸りをあげてパンチを繰り出す。車に拳が当たった瞬間に圧縮空気と衝撃波が拳を通じて黒塗りの車に叩きつけられる!
ボンネットから後部座席までエネルギーがぶち抜いてバンはまるで巨大なコンクリート壁にぶつかった様にペシャンコになっていた。
「あっ、中の人死んでないよな?………セーフ!セーフだ!良かった良かった。ヒスイ!中山田さんに連絡。回収してもらって!」
「ヒィッ!何だコレ!SSが暴れたのか?でも注文はこの先だし………」
潰れたバンの向こうでピザの宅配バイクに乗ったお兄さんが青い顔をしていた。
「あっ、ピザ屋さん!ヴォルフガングエーデルシュタイン!コレお金ね!貰って来て!」
「ヴォン♪」
ノシノシとメカ虎が近づくとピザ屋の兄さんが震えあがる。………そりゃ初見だと食われる!ってなるわな。
「え?ピザの代金?キミあの家のコなの?」
「ブフ」
「かしこいねぇ。チラシあげる。ご主人様に渡してくれよ」
「ニ゛ャン」
「じゃ、ありあとやしたー」
…………肝が据わってるなあのピザ屋の兄さん
(´・ω・`)
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