閑話休題 四十一歳・夏

 目に映るものの全てが色の鮮やかさを増やし、太陽の先ですくすくと元気に伸びる影は随分と長くなった。

 こめかみを伝って落ちていく汗粒を手の甲で乱雑に拭い、久し振りに足を踏み入れた庭先の花々に鼻頭を埋める。植物に深い造詣はないが、季節の代名詞になっているような有名なものは聞かなくても分かった。

 天高く真っ直ぐに伸びた向日葵に、青や紫にグラデーションを変える紫陽花。小さなプラスチック製の植木鉢で蔦を支柱に巻き付けているのは朝顔だろうか。大輪の花を咲かせている横で、ひっそりと次の出番を待ちわびているのはコスモスなのだと、さっき小さな先生が教えてくれた。

「はるちゃん、あんな、こっちはな、」

 ふっくらと柔らかな丸い手は僕の人差し指ひとつを握り込むのが精いっぱいで、まるで自分とは違う生き物のようにさえ思えてきてしまう。

 潰れてしまいそうなほど小さくて、ぽかぽかと熱を分けるように温かくて、ミルクのような甘い匂いがして。そのまろやかな山を作る頬を向けられただけで、自分の目尻がだらしなく垂れ下がってしまうのが分かった。

「こら、走り回らないの」

 投げられた女性の声は窘める形を取ってはいたが、苦笑を滲ませたそれは幼い少女に集う愛おしさを表している。今にも走り出しそうな指先を引いて振り返った先、お盆にグラスを載せていた女性と目が合う。ぶつかり、絡まった視線だけで仕方がないな、と会話をして、小さな手のひらが引っ張っていく先の花を見つめた。

 夏の盛りを少しばかり過ぎた今日は、翔平と共に友人の佐倉宅で開催されるバーベキューにお呼ばれしていた。陽射しが弱くなる夕方から始めよう、と言われていたのに、暫く会っていなかったみんなの子どもを思うと家で大人しく待ってなどいられない。

 昼も過ぎ去っていない午前中から押しかけてきた僕たちに、軽い溜息をそっと吐き出しただけ。それだけで追い返すような所業をすることはなく、友人夫婦は快く出迎えてくれた。

 四十を超えた今ではもう照れも薄れ、昔話として話せるようになった頃。若気の至りを繰り広げていた大学時代の自分に友人と呼べる存在は多くいたつもりだが、結局今でも付き合いが続けられているのはたったの二人だけ。

 お呼ばれ先の一軒家を三十年ローンで買った佐倉と、約束通り日が暮れてから来るつもりの羽住だ。

 彼ら二人は、僕と翔平の関係を知っている。まだ僕たちが友人と呼び合っていた頃からずっと、二人は僕たちのことを見守ってくれていた。

 二人と知り合う前からゲイだと自認していた僕だけれど、爪はじきにされるのが怖くて自分がそうだと話したことはない。大学で翔平と出逢って、友人関係になってからもそれは変えられなかった。

 初めは興味関心ばかりが含まれていたけれど、二人で出掛けるような仲になってからは必然のように翔平のことを好きになっていた。性的対象を公言していた翔平に同性だからと卑屈になることはないが、それでも好きだと告白するには躊躇われる。

 それを、僕は佐倉や羽住に相談したことはない。二人に否定されるのが怖くて、関係を切られてしまうのが嫌で、悶々とする心をひた隠しにしていた。

 だけれど、二人は最初から気付いていたのだろう。翔平の噂を聞いた僕が彼に抱いていた感情を、少しずつ変化していく気持ちを。きっと、僕よりもずっと早くに、二人は僕の恋に気付いていた。

 大学の卒業式が週末にまで迫った、内臓から冷え切ってしまいそうな寒さが際立つ早朝。まだ空が白からオレンジ、それから藍色へとグラデーションを描いているような時間だったと思う。

 あと数日もすれば離れ離れになるんだ、と急に怖くなって飛び起きた僕は、何も言わずに泊まっていた佐倉の家を飛び出した。ほんの二時間ほど前まで三人で飲んでいて、いつだって会えるわけじゃなくなるんだな、なんて話していたのがきっかけになったのだろう。

 いなくなった僕に気付いて、二人は追いかけてきてくれた。翔平が朝早くに大学へ行くのだと情報をくれたのは羽住で、だからこそ二人は僕の行き先に思い当たった。翔平のところに行ったのが分かって、揶揄い混じりの祝福を送るためにわざわざ来てくれた。

 上手くいかないなんて、僕たちよりも二人の方が信じないでいてくれた。誰にも打ち明けたことのない秘密はバレていたけれど、翔平の噂を聞いたときと同じで、二人がそのことについて何かを言ってくることはない。ただ良かったな、と自分のことのように喜んでくれるだけだった。

 気色が悪いと離れていく友人や後輩がいる中で、二人だけは何ひとつ態度を変えないでいてくれる。相談も惚気も話してくれる二人に、お互い様だと僕も同じだけの相談や惚気をした。

 かけがえのないたった二人の友人に、翔平は深く感謝しているようだった。元々狭く閉ざそうとしていた彼の友好関係に佐倉と羽住が我が物顔で加わり、結婚して子どもが生まれた今でも繋がり続けている。

 生まれたばかりの赤ん坊を抱っこさせてくれた。幼稚園のお遊戯会や、学校の運動会や文化祭にも呼んでくれた。誕生日にはプレゼントを、お正月にはお年玉を。親戚のおじさんのように振る舞わせてくれる僕たちの関係は傍から見ると少し変わっているのだろうが、彼らも僕たちも今ではそれが当たり前になっていた。

 当たり前にしてくれた二人の友人や、それを受け入れてくれる二人の家族に、僕たちは感謝してもしきれない。

「しょーちゃんも! こっちにきてぇ!」

 はるちゃんに、しょうちゃん。三十五を超えてから出来た佐倉家の一人娘は、昔から僕たちをそう呼んだ。お父さんと同い年だから恥ずかしいな、と苦笑まじりに訴えても聞き入れてくれることはなく、五歳になった今では舌っ足らずに繰り返される名前に癒されるようになってしまった。目に入れても痛くないとは、きっとこういうことを言うのだろう。

 リビングテーブルで玉ねぎや椎茸、人参なんかを切り分けていた翔平も呼ばれ、腰に巻いていたエプロンを外して足早にやってくる。呼ばれたのだから仕方ない、と取り繕いたいのだろうが、僅かに染まった頬では格好も付いていない。

 濃紺に染まったTシャツは日に焼けていない翔平を強く縁取り、透けて見えそうな肌の白さを際立たせていた。

「お嬢さん、どうしたのかな?」

 僕たちの腰にようやく届くようになった少女の前で、翔平は腰を折って視線を合わせる。白髪交じりの黒髪が光を反射して、目を細めていないと二人の姿が朧に揺れる。

 普段から翔平が教え、導いているのは自分たちと背丈も変わらない、子どもと大人の境目を生きる少年少女だ。だけれど、この子のように屈託なく笑う小さな子どもに向ける、いとけない素直な笑みも彼にはよく似合った。

「あんなぁ、これなぁ、かえちゃんがおみずあげてるんやで」

 果笑かえちゃん、とはこの小さなお嬢さんの名前だ。一つだけ花壇ではなく植木鉢で育てている朝顔は、どうやら通っている幼稚園で分けてきてもらったものらしい。なるほど、青いプラスチック板の上には、平仮名で少女の名前が記されていた。

 きっと、朝露の乾ききらない時間には大きく可憐な花びらが開いているのだろう。陽が傾き始めた時間帯の今ではもう蕾を膨らませるだけにとどまっているが、頬を真っ赤に染めて力いっぱいに語る小さな子どもが可愛らしくて、思わず綺麗に結い上げられた頭をぐりぐりと撫でつけてしまった。

「……お前らって、ほんま揃いも揃って子どもが似合うやんなぁ」

 炭をいくつも積み重ね、ちりちりと僅かな音をたてて火をおこしていた佐倉は、三白眼に近い小さな瞳を丸めてぼんやりと告げる。営業部次長のくせに不精して切りに行っていない前髪は一人娘の手によって結い上げられ、頭の上でひょこりと風に揺れていた。

「なんやの、もうちょっとええ言い方してくれへん?」

 なんだか、ちょっと法にでも触れてしまいそうな表現を投げられた気がする。街中では子どもたちの走り去る姿に元気をもらうし、佐倉や羽住の子供はただ純粋に可愛らしいと思うが、そこに特出した嗜好を併せ持っているわけではない。

 辟易として項垂れた肩を隠すこともせずに振り返ると、佐倉は金属製のトングをくるりと回して笑った。

「いや、果笑の相手にも慣れとるし、羽住の息子ともよう遊んどるんやろ?」

「遊んどる言うか……」

「こっちが遊んでもらってる、って感じだね」

 高校に進学したばかりの羽住の上の息子さんとは翔平がゲーム友達なのだが、対戦系のアクションゲームは翔平が強すぎて矛先が僕の方に向けられるのだ。ゲームは専ら翔平の横で見るだけだった僕は当たり前のように負け続け、アドバイスをもらったとしても一矢報いることは叶っていない。

 ちなみに、羽住の下の息子は小学生で、お友だちと外で野球やサッカーをするのが好きらしくてあまり遊びには来てくれない。月に一度は訪問のお伺いをたててくれる長男とは違い、次男と顔を合わせるのは家族ぐるみの行事くらいだ。

 果笑ちゃんに抱き着かれた翔平はしゃがみ込んだまま、諦めと苦さを含ませて笑った。自分でプレイした方が思い通りに勝てるはずなのに、僕が慣れない操作に慌てている様子が可愛くて好きなのだと言う。自分もカーレース系のゲームでは身体が傾いているくせに。

「でも、本当に。果笑と三人で並んでいるところは親子みたいよ」

 スマートフォンのカメラをこちらに向けた佐倉のお嫁さん‐千佳ちかさんは、穏やかに微笑みながらなんてことのないような、気にしていないような振りをする。カメラに反応した果笑ちゃんは楽しそうにはしゃぎ、翔平にせがんで抱っこをしてもらってから僕の腕を取った。

 ぱしゃり。太陽に向かって真っ直ぐに伸びる向日葵のように、雲一つ見せない鮮やかな夏の青空のように。幼い少女は晴れやかに笑う。翔平に抱き上げられ、僕の腕に縋りついて、曇りなく輝いた瞳を見せる。

 叶わない存在は、どうしても生まれてしまう。翔平との関係を悔やんだことなど一度としてないが、こうして同級生が当たり前に掴んだ幸せを前にすると、どうしても考えてしまうのだ。

 自分がゲイということを隠していたときは、異性愛者の振りをして一生を終えるのだと思っていた。恋愛としての好きは返せない女性と結婚して、心にもない言葉を吐いて子どもを作り、日々大きくなる自分たちの子どもを育てる。最期の瞬間まで嘘をついて生きなければいけないのだと、諦めにも似た気持ちを抱えていた。

 だけれど、四十を迎えた今の僕には嘘も偽りもない。心から愛する人と一緒に生きて、心からの笑みを浮かべて毎日を過ごすことが出来ている。

 もしかしたら、こうであったなら。思い付く限りを並べ立てても過去や未来は変わらない。だから今は、こうして親戚のおじさんと同じように友人の子どもと遊べて楽しかった。

「……ほんま、ありがとうな」

 おもちゃのカメラがあるのだと、翔平の腕の中で思い出した果笑ちゃんに連れられて二人は部屋の中へと消えていく。まだ生まれたばかりの、手が掛かって仕方ないと思っていた少女も、あと一年もすれば小学生になる。

 抱き上げられなくなるのも、反抗期に入って頬を擦り寄せてくれなくなるのも、自分たちが思っているよりもずっと早いだろう。羽住の息子は二人とも男の子にしては成長が早く、小学校に上がる前にはもう抱き上げられなかった。

「遠慮なんかすな、俺たちやん」

 四十過ぎの同い年の男が、少女とそっくりな笑みを浮かべる。目尻に寄った皺も、二十年ですくすくと成長した僅かに膨らんだお腹も。僕たちとは何も変わらないのだと告げるのに、太陽を浴びても尚くすまない笑顔は眩しくて温かい。

 佐倉も羽住も子どもが生まれた辺りから、僕たちとの間柄を友人だけではなく、家族ぐるみの付き合いだと話すようになった。大学時代からの気安さに加えられたかけがえのない言葉に、僕たちはいつも支えられている。

「あ、そろそろ大丈夫みたいよ」

 灰色を被った炭が橙と青を灯し、軽快な音を弾かせて崩れていく。燃え始めた熱さの上に網を張り、陽炎が立ち上がるのを見守った。

 バーベキューの準備が整い出した庭とは反対側、リビングの奥の方からチャイムの鳴る音がする。時間的に羽住たちがやって来たのだろう。出迎えに行こうと燃え盛る炭から顔を上げると、もう既に千佳さんが動き出していた。

 自分は家主でもないのだし、ひらりと片手を振る彼女に任せることにする。どこかで鈴虫の羽音が響いているのか、濃く鮮やかに色を変える夕陽が秋に染まっているような気がした。

「っ、わ!」

 揺らめく鮮やかな風景にぼんやりと視線を向けていると、気配もなく腰に重たい何かがぶつかった。太腿に回された柔らかさはおてんば娘のもので、苦笑いと共に視線を動かすと、くるりと真ん丸い瞳にぶつかった。

「はるちゃん、だっこして!」

「なんやの、果笑ちゃんはおねだり上手やねぇ」

 柔らかく小さな体を抱き上げて、その小さな丸い両手に握り締められた淡い黄色のおもちゃを視界に映す。インスタントカメラのように撮影が出来るらしいおもちゃはカラフルなシールが重なるように貼られ、瞬きの間に表情を変えていくこの少女そのもののように見えた。

「ぱぱ! かえちゃんのかめらでもおしゃしんとって!」

 小さな手によって結われた不格好な前髪が揺れ、佐倉の手に渡ったおもちゃのカメラは余計に小さく見える。写真なんてスマートフォンのカメラ機能ばかりに任せてしまうようになったが、たまには懐かしい使い捨てのカメラを買ってみるのもいいかもしれない。

「あ! オレも映る!」

 がさがさとビニールの擦れる音と一緒に飛び込んできたのは、羽住家次男のしゅうくんの声だ。テンションの上がる果笑ちゃんが落ちないように背中を支え、走ってきた柊くんの後ろを見ると長男のあおいくんと翔平が喋りながらリビングから庭へと出てくるところだった。

 ビニールの擦れる音は、柊くんが持っている小さな袋からだろう。興味深そうに見ている果笑ちゃんに、お菓子を持ってきたのだと笑う柊くんは元気が有り余っているらしい。さっさと佐倉の隣に移ってキャンプ椅子に座った羽住は、もう既に疲れているように見える。

 カラフルに彩られたカメラが向けられ、片目を細めた佐倉がレンズを覗き込む。きっとその視線の先には僕と果笑ちゃんと柊くんと、元気な子ども二人に呼ばれた翔平と葵くんが映っている。穏やかな陽の下で浴びる子どもたちの笑顔に、僕たちがつられてしまうのは当然のことだろう。

 手放しで感じられる幸せがこんなにもある。込み上げてきた感情に動かされた視線の先で、翔平は今にも泣いてしまいそうだった。透ける真っ白い肌に金色の光が降り注ぎ、木々の艶やかな緑も、弾けるような花々の黄色や紫も、翔平の醸し出すたくさんの色の前では褪せて見える。

 泣いてる、と揶揄われて、翔平は照れくさそうに葵くんの脇腹を小突く。十六歳になったばかりの葵くんは、もう既に僕と並ぶくらいに大きくなった。縦に伸びるだけ伸びてまだ線は細いが、それを気にして毎日欠かさず筋トレをしているらしい。

 彼女がいるくせにずっとモテていた羽住に似て格好良い葵くんは、鍛えれば鍛えるほどに人気を増していくだろう。もっと格好良くなるだろう子どもを横目に、だけれど僕は翔平一筋なのだろうなと屈託なく思ってしまう。

 惚れた弱みをずっと抱えて、きっとこれからも変わらずに抱え続けていく。それはもしかしたら翔平も同じなのかもしれないけれど、それを言い合うほどの馬鹿ではない。

「はるちゃん? ねむいん?」

 頬に少しだけ汗ばんだ小さな手のひらが添えられる。薄い茶色がくるりと回って、長い睫毛がぱっちりと上を向く。腰辺りの布を掴んだ手のひらも、まるで心配するように温かな熱を分け与えてくれる。

 清々しいまでに無垢な声色は輝かしいまでの陽かりのようで、その眩しさに目を細めた。じんわりと移ってくる体温が心の底にまで沁みて、今いる場所はここなのだと知らしめる。そこかしこで上がっている笑い声は、全部まとめて味方なのだと思うと力強かった。

「んー? 眠ないよ。幸せやなぁって、噛みしめとっただけ」

 翔平との未来は何にも負けない。それだけがあれば、と独り善がりに突っ走りそうになった過去もあるけれど、こうして残った景色はどれもこれもが鮮やかで、煌めいている。

「ほれ、これはお前らの分や」

 苦笑を滲ませた佐倉から渡されたのは、印刷されたばかりのチェキ写真だった。おもちゃのカメラだと思っていたのに像ははっきりと結ばれていて、侮れない技術の進歩に驚いてしまう。

 ゆっくりと濃くなっていく色彩の先で、僕たちは揃って笑っていた。レンズを向けられたからと取り繕ったわけでもない、情けなささえも滲ませた目元に翔平と二人、声を上げて笑ってしまう。

 深くなった笑い皺に、張りのない肌。彼の隣で積み重ねた日々の先で、僕たちも、彼らも、変わらない。

「幸せそうだね」

「……ん、そうやね、幸せやね」

 絡まった視線は陽かりを浴びて、きっと輝いているのだろう。眩しさに揃って瞼を伏せて、小さな愛おしさを抱えて走る。ひっそりと繋いだ手のひらを揶揄われることさえも幸せに思えて、やっぱり僕たちは笑うのだ。

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