第28話 核ミサイルがタクシーで発進した…

【前回(第23話)までのお話】

美幸ちゃんは覚○○剤を投薬されて寝取られている!?

恐ろしい予感の中、美幸ちゃんの自宅浜松に向かうあたしたち。

そして懸念がもう一つ…もし優くんがそのことを知ったら激昂した優くんは被疑者の八木くんをきっと…


【本編は第23話の続きになりますので、MCは南ちゃんではじまります】


三月さんの運転する車中ランドクルーザー全員沙織 五月 南の視線が…オードリーヘップバーンのように清廉な容姿の実乃里ちゃんに集中していた…


親子である三月おにーさん沙織おねーさんはもちろんだけど、優くんを仲人キューピッドのように慕っている香緒里さんご夫婦や優くんを弟枠に入れている五月っちゃんやあたしと違い、ヨーロッパが生活の主戦場である実乃里ちゃんには優くんへの思い入れは薄い。


…でもっ!実乃里ちゃんには…今切ることの出来る最強のカードがっ!!


実乃里『…もしもし、三里亜?お願いがっ!』


およそ最強の行動力を誇る実乃里ちゃんにそっくりな三里亜ちゃん…彼女ならきっと優くんをっ!


三里亜『何よママ…今ちょっと不味いの…なんというか…核ミサイルが飛んでっちゃったみたいな』


スピーカーモードからの三里亜ちゃんの声は焦燥感に満ちていて。


…遅かった!?


実乃里『…優くん…飛んでっちゃったの?』

三里亜『…何言ってるの?ママ。…お兄ならあたしの隣にいるわよ?』

実乃里『ちょうど良いわ!…三里亜、あたしたちがそっちに行くまで優くんを何としても止めておいて!なんなら手足の1〜2本無くなっても…』

三月『…いや…手足はかんべんしてやってよ…』


優『実乃里ママさん、酷いですよ!一体何なんですか!?』


あら…スピーカーだったのね。


三月『優…大丈夫か!?…美幸薬で凌辱ちゃんの話を聞いたお前が激昂してバイクでぶっ飛んで行ったのかと…』

優『正直、頭に血はのぼったんだけどさ…導火線が俺の半分くらいの人が既にぶっ飛んじゃってて…』


…ん?


三月『…ちょっと待て、優…んじゃ、誰がぶっ飛んで行ったんだ?』

?『すみません…老師』

三月「…拳秀くん!?」


あたしには聞き慣れない声が割り込んできた。


拳秀『…明美くんへの情報を盗み聞きした秀世が…飛び出していってしまいました。私も、優くん明美くん三里亜ちゃんと共に車で追いかけてはいるのですが』

三月『それは…まずいなっ!』

拳秀『…はい…バラバラ死体が出来かねません…』

沙織『…ね、ねえ…みっちゃん。ひ…秀世ちゃんならそこまでの事にはならないんじゃ…』

拳秀『沙織さま…甘い…炎天下のミルクチョコレートのごとく甘いです!!』


それは…やだなっ…


拳秀『…秀世のぶっ放す最終兵装「ハルマゲドン」の威力は…理論上半径50mの範囲を等しくチリに変えます』


何でそんな物騒なものを…気の短い女子高生に持たせてるんだよっ!!…その場の誰もがそう思った。


…約15分後、「最優先世界経済調整会議」が行われていたハワイはマウイ島の某高級ホテル横から、初老の男性おやっさんと妙齢の美女秀美おばさんを乗せた超音速ジェットへりが…三月おにーさんの懇願で日本に向けて緊急発進した…らしい。



三月『しかし…秀世ちゃんはどうやって浜松までぶっ飛んでいるんだ。あの子はバイクや車に乗れるわけでは無いのだろ?』

拳秀『はい…しかしあの子にはそれに代わる恐ろしい手札が』

『?』

拳秀『すなわち…タクシーで…』


…金に糸目をつけずに…ぶっ飛んで行ったのね…


三月『優…何でバイクで追いかけない?お前のCB400SBなら!』

優『う…ううっ』

『?』

優『…うううっ…』


明美『う…うるさいわねっ!いつまでも泣いてるんじゃないわよっ!』

優『…そんなこと言われたって』


明美『その分、良い思いもしたでしょ!?…あんた絶対に責任取りなさいよっ!』

優『…』

明美『ずっと…あんたの大きいのがあそこに入っている感じで…歩きにくくて仕方ないんだからっ!』


『…』

『…』

『…』

『…』


三月『優…お前…明美ちゃんに何をした?』

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