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第1話
はじめて煙草を吸ったのは確か四年前……………
中学二年の時だった。
小さい時に離婚した為、学校から帰ると母親が帰ってくるまでの時間を一人で過ごしていた。
その日、テーブルの上に母親の部下の人が忘れた煙草が置いてあった。
前々から一度吸ってみたいと思っていたし、どんな味がするのか興味があった。
だからテーブルの上にある煙草に自然に手が伸び、火をつけていた。
(………きっと咳き込んでしまうだろうな)
僕はそう思っていた。
(……………あれ?)
しかし意外な事に僕の体は何の抵抗もなく煙を受け入れた。
特にコレと言って気持ちの高揚はなく
(あぁ、なるほどな)
と感じたくらいだった。
その後は煙草の吸い殻を灰皿に入れてテレビを見てベットに入った。
部屋に残った煙を追い出すために換気扇をつけて窓も開けておいた。
今思えば、母親が教育ママだったせいか僕は小さい時から塾に通ったり習字にソロバン、ピアノにスポーツ等々……………色々な習い事をしていた。
でもーーーーーーー
高校まで続いたのは煙草だけだった。
もちろん、僕みたいな一般高校生が学校で煙草を吸うなんて校則違反になる。
よって普段はトイレの個室で隠れてひっそりと吸う事にしていた。
でもーーーーーーー
そのトイレの個室こそ、全ての始まりの場所だった。
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