第16話

「……フン……フフーン♪」


台所で朝食を作る上機嫌な勇斗の祖母ーーーーーーーー…




「ーーーーーーーー…おはよ…う」


勇斗は台所に入ると


「うわっ!!勇斗、こんな早くにどうしたんだい!?」


いつもならギリギリまで寝ているハズの勇斗に祖母は驚く。


「ーーーーーーーー…バーチャン、頼み……あるんだけど」


「頼みって、いったい何だい?」


「ーーーーーーーー…いや……あのさ…」


「何だい?小遣いの前借りなら、お母さんに頼むんだよ」


祖母が朝食の用意をしながら勇斗に尋ねる。






「ーーーーーーーー…オニギリの作り方、教えて欲しいんだけど」




「はっ?オニギリかい?」


勇斗の口から出た意外すぎる言葉に祖母は少し拍子抜けした。











「…オニギリの作り方を教えろって言われてもねぇ、こうやって手に塩水つけて握るだけだからねぇ」


勇斗の祖母は簡単に説明をしながらオニギリを握る。


「ーーーーーーーー…わかった、じゃあ、もう良いや」


「何だい、もう……」


祖母はブツブツと言いながら、台所から出ていった。






「ーーーーーーーー…よし」


勇斗はシャモジ片手にヤル気を出し、オニギリを作り始めた。

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