13.「アニィさん、ねぇ、笑って?」dedeさん

タイトル:アニィさん、ねぇ、笑って?

キャッチコピー:なし

作者:dedeさん

URL:https://kakuyomu.jp/works/16818093091192811271

評価:★3

味のご希望:なし(甘口)

あらすじ:小学校三年生のタツミくんと鬼のアニィさんの物語。


初めに、自主企画に参加してくださったことに感謝申し上げます。

dedeさんの作品は三作目ですね!

本当にありがたいです。

今回の「アニィさん、ねぇ、笑って?」も、おもしろく拝読できました。


[講評]

おねショタ度は最高ランクです。

鬼であるアニィさんはちょっと臆病で、人間より人間らしいかもしれません。

みかんをうまく剥けないのカワイイです。

対してタツミくんはまだ小学生なのに丁寧語でしっかりお話しできる、大人っぽいところがある子で、アニィさんにみかんを剥いてあげられます。

その二人が紡ぐお話は、とても素敵なのです。


アニィさん、登場がまずカッコいいんだか悪いんだかわからないところがいいですね!

けっこう派手な登場の仕方でおもしろいです(笑)

そんな始まりなのですが、語り口はタツミくん一人称で丁寧語、要するに「ですます口調」の敬体です。

私は好きです。

一人称丁寧語口調の敬体、良い、良いじゃないですか。

ただ残念なことに、世の中の敬体の地の文は、途中で常体に変化してしまうことが多いんですよね……。

(なろうの悪役令嬢モノや追放モノ、無双モノで何度見たことか……!)

しかしこのお話では、最後までしっかり敬体で語られています。

安心感抜群!

これが全体の雰囲気を決定しているところだし、タツミくんの性格もよく表せているので、素晴らしいと思います。


【ここから先ネタバレあります! ご注意を!】






アニィさんは、タツミくんのお母さんである桃香さんのお友達。

久しぶりに会ったアニィさんとお母さんは、再会を喜び合います。

それからこたつでの会話に入っていく。

自然ですね、とても自然です。

そこでアニィさんが金髪の理由もわかったり。

登場人物に悪い人がいなくて、しかも各人物の個性がよく出ていて、とにかく人物同士の絡みが魅力的に思えました。

タツミくんのお友達についても同様で、寧々ねいねいくんやセっちゃんとの交流も丁寧に描かれています。

そして4話目の……!

泣けますね……泣けます。

うるっとしました。

温かい人間関係、温かい時間を過ごしたタツミくんが、5話目でちょっとだけ欲張りになっちゃうという流れも素敵です。

タイトルどおり、じんわり温かみを感じるラストもおねショタ度を更に高めていて、良い読後感をもらえました。


[総評]

いやぁ、お寺と神社から始まるお話で、途中でクリスマスも出てきたり、こういう世界観が「ザ・日本」という感じで好きです。

あ、そうそう、dedeさんが狙ったかどうかはわかりませんが、1話目の冒頭で「あれ? これBLだっけ? めちゃ良いな」と思いました。

わたくし誰かに一度殴られないといけないかもしれません。

いや……、だって……タツミくんと寧々くんが……

げふ、げふっ。

失礼しました。

気を取り直して……。


dedeさんおねショタ三部作のラストを飾る、本当に良いお話でした。

そして良いおねショタでもございました。

大変おいしゅうございました。

ありがとうございました。

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