第11話
私は痛む頭をさすりながら実家から出て、近くの公園に向かい、配信を再開させた。
ちなみに妹には「まだいてほしい」と泣きつかれてしまったが、なぜかとどまると着せ替え人形にされる予感がしたため、制止を振り切って慌てて逃げたのは内緒だ。
まあ、目をギラギラさせてもう一人の妹がコスプレ用のドレスを持ち出したのであながち間違っていないだろう
「…はい、皆さんお待たせしました」
『おかえり』
『お、お話ししてきたの?』
『まあその頭の上にあるたんこぶ見れば大体わかるww』
「うん、ちょっとね…いてて」
『見事なたんこぶだからしゃーない』
『というかどこよここ』
『さあ?ワイにはわからん』
「あ、とりあえず近くの公園に来たんだ。姿は魔法で隠してるから大丈夫だよ」
『なるほどなぁ』
『魔法って便利だな』
『姿が見られない?ひらめいた』
『おまわりさんこいつです』
「あはは…みんなが魔法使えるかはわからないよ?」
『それでも希望は持ちたいやん?』
『魔法と言ったら男が一度はあこがれるやつだからな!』
「それ私…じゃなくて師匠も言ってたね、魔法はロマンだって」
『シッショさんわかってる人だったんやな』
『というかその言い方だと…』
「…まあ、そういうことだよ」
まあ私がその本人だから…なんて言えないしね。
「さて、師匠の遺言も伝え終わったし帰ろうかな」
『え!?』
『んな殺生な!?』
『なんで!?』
「だって、私の目的は里…伝言だけだからね。あまり長い間こっちにいてもメリットないし」
まあ、これからは定期的に様子を見に行くことになりそうだけど。
『納得』
『まあ海外のは弾いたとしても国内にやばい思想持ってるやつがいる可能性はあるからなぁ』
『ヨカちゃん、気をつけて帰るんだよ』
『ぶっちゃけ、ヨカちゃんが日本巡り配信するよりヨカちゃんがそっちの世界を探検するほうが興味ある』
『ソレナww』
私の世界ね…たしかに魅力的だろうね。
オタクにとってもだし、為政者にとっても
なお、外国人は配信からはじいているが外国の大統領など、最高クラスの権限を持つ人は例外としてみることだけできる
「わかった、それじゃあ帰るね」
帰還には十秒あればいい
すでに通っているトンネルの入り口を開けるだけだから。
でも隠蔽の魔法は切らないと発動できないしエリスの手助けは必須だけど…もっと特訓しないとね。
…でも、運命は私に味方してくれないみたい。
だって…
「いました!異世界の魔女です!」
どう見てもめんどくさそうな記者さんに見つかっちゃったもん
しかも隠蔽の魔法を切った瞬間にね。
運命のいたずらか…もしくはずっと探していたかのどっちかだね。
ま、どうせ後者だろうけど。
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解説
妹二人
名前はハーメルンで募集します
可愛い生物大好きでショタを見ると着せ替え人形にしたくなるちょっと困った人たち。
なお被害者もいる
近くの公園
何の変哲もないただの公園
隠蔽魔法
姿を隠すだけではなく気配も遮断する効果を持つ
発動するために脳のリソースを結構使う
なぜ大統領クラスのおえらいさんは配信を見ることだけできるようにしたのか
だってこれで日本を批判してきそうだから(正論)
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