第9話
「つまり…アニメの王道を通って異世界転生したってことなんだね」
「あってるけどなんか違うぞ…いやもうそれでいいけどさ」
私は今、
「んでさ、聞いていい?うちの
「えっと…一応私も交渉の場にいたんだけどね?…怖かったよ?ものすごく」
…はい?
「最初は加害者の人のほうが悪かったんだよ?全然悪びれてなかったから…でも瑠伽のお父さんがぶちぎれて相手の胸倉をこう…ガッとつかみ上げてね」
何やってんの親父…
「それで相手の人が半泣きになったとおもったら逆切れして…ちょっとしたつかみ合いに発展しちゃって」
「マジで…なにやってんの親父…」
「えっと…確か最終的にはルカの葬式代の全額弁償とあととんでもない額の慰謝料だったね」
「…値段聞くのはやめとくわ」
何やってんのあの人達…
「あ、ちなみにまだあそこに住んでるよ」
「…ああ、あれか」
シュマピーが指し示してくれたところには少々高いところにある一軒の家だった。
「…結局売ってないんだな」
「そこら辺は私も知らないよ?」
「知ってたら怖いから」
「…でも、よかったよ…転生っていう形だけど…また会うことができて」
「…まあな、そういえばほかの二人は?」
「学校だって、ここに来れないことに悔しがってたよ」
いやそこは学校…って
「お前学校は?」
「さぼった」
「おいこら」
さて…会いに行きますか
前世の家族に
「…言い忘れてたけど美少女の声でその口調は違和感すごいよ?」
「やかましい…だったらこんな感じにしたほうがいいのかしら?」
「え、ごめん寒気がした」
「ひでぇ」
ピンポーンとインターホンの音のあと3秒後に母さんの声がした
『はーい?』
「あ、私です、朱鞠です。ルカのお墓参りできました」
『あらあら、朱鞠ちゃん、上がってね』
難なく許可取れたな…持つべきは友だね
「ってちょっと待てい…え?うちの庭に俺の墓あるの?」
「そうだね、おかげで私達もすぐお墓参りできてたから助かってたよ」
「異常だということに気づけよ?」
たしか国の決まりとかなんとかで…あれ?なかったっけ?
…ま、いっか
「さ、頑張ってね。ルカ」
「流石に分かってるよ…はぁ…」
あぁ…会うのが億劫だなぁ…
と、その時
「あら、来てくれたの朱鞠ちゃん」
「お久しぶりです。今日は知り合いも連れてきたのですけど…」
「大丈夫よ、君、名前は?」
…ああ、この親分かっていってるな?
「ルカって言います…」
「あらそう!るかっていうの?死んじゃったうちの息子の名前と一緒ね〜」
「分かっていってんだろクソババア」
「…やっぱりルカなの?」
逆にそれ以外の誰だと…ああ、異世界人?
「…ルカぁぁぁぁぁぁ!!生きてたのねぇぇぇ!」
「ギャァァァァァ!?」
その日俺は転生後初めて死にかけた…原因はお袋のハグというね…こんな死因あってたまるか
…まあ、家族を残して先に死んでしまったのは俺だ。
少しぐらいは…いいかな
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