一本の桜と、ヒロインの独白で始まる物語。
「……君、もうすぐなくなるんだってね」
冒頭に放たれた言葉がとても印象深く、気になってお話を追いかけると、少しずつヒロインがそこに至った背景と、彼女にとって大切な「彼」の存在が見えてきます。
アルバムの写真とともに辿る景色は、切なさと物悲しさに溢れていて、恋の記憶を辿るほど胸が苦しくなっていきます。
行間から漂う儚さ、一文一文の繊細な心情描写、その言葉運びが美しく、目を瞑れば桜の木と、ヒロインの表情がありありと目に浮かぶようです。
彼の真実を知ったとき、なんともいえない気持ちになり胸を締めつけられましたが、ヒロインの前を向いて歩いていこうとする強さや逞しさ、優しさに希望を感じることができ、とても感慨深く爽やかな余韻を得ることができました。
大好きなお話です。
素敵な物語をありがとうございました。
切なくも優しい、心が揺さぶられるようなお話をお探しの方に、ぜひおすすめです!