第17話 慢性腎臓病ステージ3aの食事指導

 慢性腎臓病ステージ3aというと、GFRで45~59になる。

 このくらいの人は外来にゴロゴロいる。

 

 食事の見直しでGFRが悪化するのを抑える事はできても、改善させる事はできない。

 だから3aを3bに進行させないようにするのが食事療法の目標になる。


 当然の事ながら、高血圧、糖尿病、高尿酸血症のコントロールは必須だ。

 ステージ2で行った塩分制限も引き続き行う。

 その上で蛋白制限が必要になってくる。


 体重60kgの成人男性が普通に食事をした時の蛋白摂取量は70~100g程度になるとのこと。

 ステージ3aの場合、1日の蛋白摂取量を48~60gに抑えるべし。


 具体的な例を以下に示す。( ) 内は蛋白量。御飯1杯は150g。

【朝食】食パン1枚 (4g) + ゆで卵1個 (6g) + 牛乳150ml (5g) = 15g

【昼食】白米1杯 (4g) + 鶏むね肉50g(11g) + 野菜炒め (3g) = 18g

【夕食】豆腐150g (10g) + 白米1杯 (4g) + 味噌汁 (2g) = 16g

 合計:49g


 動物性蛋白か植物性蛋白かは問題ではない。

 どちらも原則としてアミノ酸として吸収されるからだ。

 しかし、体内で合成されない9種類の必須アミノ酸は食事で摂る必要がある。

 動物性蛋白には必須アミノ酸が万遍なく含まれているが、植物性蛋白は必須アミノ酸の一部が欠乏している。


 穀類、ナッツ、種子類:リシンが欠乏

 豆類:メチオニンが欠乏

 野菜類:メチオニン、ロイシンが欠乏


 なので、ヴィーガンやベジタリアンのように動物性蛋白を摂らない場合は、バランス良く植物性蛋白を摂る必要がある。

 例として「米+大豆(豆腐、納豆など)」や「ピーナツバター+全粒パン」のような組み合わせが好ましい。


 結論:ステージ3aの場合、蛋白質をバランス良く控え目に摂る事



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