労働と日々
そして、数日が経ち、作業にも少し慣れてきた。
それもこれも指導長のボヌールの田中さんの熱心な指導のおかげだ。
ボ「そうです、もっと官僚的にやっていいですから、流す感じで」
僕「え?官僚的にやっていいんですか」
ボ「もちろんですよ、スイッチとかも官僚的に押してください。ミスしちゃった時とかも官僚的に対応してもらえれば……」
僕「臨機応変じゃなくていいんですか?」
ボ「最初はまだペースわからないと思うからひとつひとつ官僚的でいいですよ」
僕「わ、わかりました」
まさか、身近なお菓子が官僚的に作られているとは思わなかった。
でも班のみんなは細かくサポートしてくれて助かる。
“慣れないうちはあまり官僚的すぎると腰やるから気をつけてね”とアドバイスももらった。
自分で手がけたウマイ棒を食べさせてもらう。
ウ、ウマイ。
この味なら僕も社会に貢献していると言っていいだろう。
さらに僕はキス枠で、特別待遇ということで、みんなより早めにあがって、特別室でのキストレを許されていた。
だから退勤後は、
黙々と、キス立て伏せや、キスベンチプレスや、キスニングマシーンなどでサーキットキストレーニングに励んだ。
せっかく僕に期待をかけてくれるのだからそれに報いたいと思った。
充実した日々。働くって気持ちいい。しかもムダだと思ってたキスが役立つなんて。
だが、知らず知らずのうちに影は忍び寄ってきていた。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます