第21話
「あい子たちは隣市の一中なんだよね?」
「そうだよ」
お互いに目を合わせて、納得したように小さく頷き合う結衣ちゃんと花菜ちゃん。
それにあい子が怪訝な視線を送る。
私も不安になって彼女たちを、ジ、と見つめた。
「何?言いたいことあるならはっきり言ってよ」
話を振っておいて沈黙するその態度に、あい子の言葉尻がきつくなる。
それに慌てて結衣ちゃんが言葉を発する。
「……ごめんごめん。別にそんな悪い話じゃないよ」
「浅倉くんって、確か一中の人だったよね?」
「あー……」
途端、あい子が口ごもる。
それを聞いた私は青ざめた。
もしかしたらあのことを知っているのでは、と鼓動が激しくなる。
なんだか嫌な予感に、じわり、じわり、と足先から焦燥感が這い上がる。
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