第9話

「おいっ!」


イヤホンが片方外れ、音楽の音が消えた瞬間


すごい剣幕の声がした



地味に痛いどころか、相当痛い



見上げると、身体だけデカイと思しき人物が立って、あたしの片腕を持ち上げていた


「どうも」


あたしはイヤホンから流れ出る音を止め、その男と真向かいで見上げた





「怪我は?」


「あるといえばありますけど、急いでるんで」


まだ捕まえられている腕を見てから


「離してください」

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