8 ウラギリロック
「裏切り者!!!」と目の前の彼女が私を糾弾をする
至極当然だろう、彼女は【チーム】の一員でありこの私もその一員だったのだから
だが、私はとある事情によりその【チーム】を切り捨てることを選んだ
故に彼女が私に糾弾する
そして私はただただその糾弾を受け入れる事しかできない
彼女なら事情を汲み取ってくれるのではないかと微かな希望を打ち砕くかのように
ひたすら私にありとあらゆる暴言を吐き捨てる
そして、その暴言を止めるかのように私は口を開く
「裏切り者…か、確かに【チーム】を裏切ったさ」
「なら!」
「あぁ、私はここを抜けよう…そして私の名も捨てよう」
「っ!あんたなんて大嫌いだ!」
「あぁ、俺はあんたが大好きだったよ」
そうして、そうして私は空白になった
文字通り何も無い……何一つ残らず捨てたのだから
「裏切り者…か、やはり愛した者に言われただけあって辛いものがあるな」
いや、あんだけ【チーム】を引っ掻き回したんだ……勘当で済んだだけ御の字って所か
「違うな、彼女は私を殺せなかったからだろうか」
「…まぁ、神のみぞ知るなんだろうがな」
『オイ、ウラギリモノコレカラドウスルンダ』
「お前まで裏切り者って言うのかよ」
『アタリマエダ、ジシツナノダカラナ』
『ソレトモオマエハ【ちーむ】ヲウラギッテナイトイウノカ?』
「痛いところつくねぇ……」
「まぁいいや、とりあえず金はある程度持ってる」
『オイマサカ【ガクエン】ニイクノカ!?ウラギッテオイテ!!!』
「シャーないだろ、それに裏切り者と言っても元をたどれば【学園】に用があったんだから」
『…スキニシロ、オレハナニモカンヨシナイカラナ』
「わかってますよっと」
【学園】とは、人体実験を学園内で行っており、その実験対象は生徒である
実を言うと私もこの【学園】に過去在籍しており、彼を見つけたのもこの【学園】だったりする
彼は、出会った時から記憶をなくしており、当時は死んだような眼をしていたがいつからか素で話してくるようになった
いい傾向なんだろうが如何せん煩い…
『ウルサイノカ?』
「脳内で話してることに反応するんじゃあない」
『キョウユウサレテルカラ、ショウガナイダロ』
「ごもっともでしたわ…」
「とりあえず、【学園】侵入するか」
『ショウメンカラドウドウト、シンニュウスルキカ!?』
「安心しな、こういうところは入口は優しいんだよ…出るときはきついがな」
「こんにちは、お兄さんはどうやってここに来れたのかな?」
「やぁ、NO.002久しぶりだね」
「お兄さんと会うのは、初めてなはずだよ?」
「あー、気にしないでいいよ」
『オイ、コイツノナマエハ〈フランドール〉ダゾ』
「知ってるよ、コードで呼ばないと面倒だったから」
『???』
「それで、お兄さんは何のようなのかな?」
「友人に招待されてね」
「友人?」
「マミゾウってやついるだろ?」
「!……マミゾウ様のご友人とは知らず失礼な態度をとってしまい申し訳ございません。」
「いいよ、なんなら君とはもともと友人だったから」
「わ、かりました」
「敬語」
「ぅん」
「まぁいいか」
『オレカヤノソト…オヨヨ』
「じゃあ、案内頼める?」
「いつもの場所にいるよ?」
「うげ…実験室かぁ」
「まぁありがと行ってみるわ」
「はーい、また会ったら遊ぼうね~」
「りょーかい」
[学校地下実験室]
「よう、マミゾウ」
「ん?なんじゃ、もう来たんかいな」
「おーおー相変わらずの残虐性なもので」
「はっ、うぬには言われとおないがな」
「ふは、同じ穴のなんとやらってことだ」
「狢じゃろうて」
「狸だろうがお前は」
「む、そうじゃな…ならうぬが貉じゃったか」
「ま、世間話はそこらで何用だ?」
「…なに、【チーム】というグループで世界に対して喧嘩を売ってると聞いたものでな」
「…あー、裏切り者になりました」
「何をやったんじゃ、儂の知識がただしければ仲間意識がイカれてたはずじゃぞ!?」
「【
「!?」
『ナンダ、ソレ』
「かつて、イエスとよばれた者の使徒を総じて【
「ちなみに、うぬの中に居るであろうそなた」
「あー記憶がないからわからないと思うぞ」
「む、それはあれらが原因かの?」
「さぁ、近からず遠からず」
「そうか」
「しかし、妙じゃな…今更【
「どうせ、かつての逆恨みだろ」
「どうも、胸騒ぎがするんじゃがのう?」
「とは言え、かつて世界を支配した【
『ハナシムズカシイカラワカラナイ』
「失礼します、マミゾウ様」
「ん、どうしたんじゃ〈フラン〉」
「先ほど侵入者が入りました」
「ただいま、〈レミリア〉お姉様と〈
「そうじゃったか、すまないお前さんや」
「しゃーない、貸し一で許してやる」
「助かる」
「あー、なんか武器ないか?」
「三節棍ならあるが、うぬ苦手じゃろ」
「うわ、よりにもよって三節棍かよ」
「一応、私の持っているナイフでもよければどうぞ」
「辞めといたほうがいいぞ、そやつの異名〈
「あ、おい黒歴史掘り返すな」
「まぁ、良いではないか」
「よくはないがな…」
「じゃ、とは頼んだぞ」
「うわぁ、こいつ面倒事押し付けてきやがった」
「あとで報酬ならやるからの?」
「…御堀堂の外郎50なら可」
「うへぇ、相変わらずの甘党じゃの」
「間違えて羊羹持ってきたら殺すからな」
「わかっておるさ…身をもってなぁ」
『ナンデ、マミゾウトオイメヲシテイルンダ?』
「昔、同じ条件でやったら羊羹を持ってきて同じじゃろとかほざいたから半殺しにしただけだ」
『アワレ…』
「まぁ、置いといて行くぞ」
「武器は持たないんですか?」
「正直スパイクハンターナックルナイフ懐にあるからそれ使えばいいさ」
「は、はぁ」
「お前さんまだあのナックルナイフもっておったのか」
「いいだろ別に」
「まぁ好きにすればいいんじゃがな」
「…」
「よぉ、
「あら、なんで〈
「〈
「〈
「それと〈おぜう〉呼びはやめて頂戴と言っているでしょう?」
「すまんすまん、それはそうと俺の出番なさげじゃないか?」
「それに関しては質じゃなく量で攻めてきたから疲れてきたのよ」
「約3時間俺とガチンコして息切れ程度で済んでたお前が?」
「えぇ、だからその力を貸しなさい?」
「へいへい…こいつら殺して良き?」
「えぇ構わないわよ」
「おい、死にたい奴からかかってこいよ」
「早く《ハリー》早く《ハリー》、早く《ハリー》早く《ハリー》早く《ハリー》」
「それで、何か言うことはあるかの?」
「すみませんでした」
「いや、忘れてたんだよ力を行使したらあーなる事を」
「やかましい」
「確かに鎮圧を頼んだのは儂じゃから強くは言わないのじゃが」
「土地を抉るのはまずいじゃろうて?」
「のぉ?」
「返す言葉もありません」
「じゃが手伝どぉてもらっておるからせめて25個は買ってきてやろう」
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