『常闇からの血溜まり』編
第5話 『中立国』クレメンド王国
「さぁ、着いたなー。」
「長い旅だった。」
「そうだな。本当に。」
まず、ギルドからの依頼がちょうどあったので、馬車に乗れることに。
ですが、人類至上主義の馬車でした。嫌がらせだね。(ふざけんな。ぶち殺すぞ。)
次に、追い出されたから徒歩で歩いてたら、盗賊に襲われました。(普通に用心しとけや。)
返り討ちにしたら、クソみたいな貴族がバックに居たので一族皆殺しにしました。
まぁ、おかげで元いた王国に入れなくなったんですけどね。
え??そんなんしたら、『中立国』に入れないんじゃない??
残念だったね。ギルドカード提示したら、入れるんだなー。このギルドカード、便利なことに何をしたか全部書いてあります。よって、その貴族が悪いとされ、その『ベールング王国』の冒険者ギルドの判断はおかしいとされました。
そんなこんなで…………
「ようやくついたよ。クレメンド王国」
「はぁ、ここって、迫害される??」
「………何言ってんの??カティア。そんなわけないだろ。一応、ここは『中立』を謳っている国だぞ??差別的な視線はあるけど、露骨にはしてこないと思うぞ??…………多分。まぁ、そうなったらこれ被ってればいいさ。」
「………なにこれ??」
「フード付きパーカー」
「わかった。被る。」
「うん、可愛い。似合ってるよ。」
「………えへへ。」
ほんとに可愛いわ。あー、もふもふしたい。
それはさておき。
「気づいているよね??」
「うん。………尾行が三人ってとこ。」
「残念。その後ろにもう一人だ。」
「むぅ。わたしは猫人族だから、鼻はいいはずなんだけど……」
「そこじゃないな。匂いじゃない。気配を探れ。」
「はい、マスター。」
「カティアってたまに僕のことマスターって呼ぶよね。………なんで??」
「………なんとなく。」
「そっか。………まぁ、いいや。とりあえず、いったんこのまま出ようか。」
「わかった。」
「おいおい、ここは中立国だろう??尾行してる三人さんよ??」
「おお、気づくのか。」
「ぐははは、その嬢ちゃんを俺たちによこしな。」
「なぜ??」
「その嬢ちゃんは隣国で高く売れるんでね。」
「あぁ、納得。………………じゃぁ、死ね。」
「「「は??」」」
「…………え??」
この三人はともかく、カティアはなぜ驚いてるんでしょう??わかりませんね。
「ぎゃはははは!!たかが、E級で!!俺等B級に勝てるとでも!?」
「勝てるさ。D級からはもろもろが面倒でね。むしろ、受付嬢から『なんで、あげないんですか??A級位あるんですよ??』とか言われるくらいだけどな。」
「なら、その嬢ちゃん抜きでやろうじゃないか?」
「いいよー。…………自衛はできるな??」
「うん、できるよ。」
「じゃ、あと一人は、任せた。」
「うん。」
「せぇのぉ!!」
「グッオッ!?」
楽勝、楽勝。たかが、子供に図体のでかい大人が負けるんですか。そうですか。よわ。ざっこ。
「ん〜、体が動きませんねー。慣れない場所だからかな??」
「こんの!!バケモンがぁあああああああ!!」
「心外だなぁ。バケモンと呼ばれたくは………ないねッ!!」
だって、たかが地面割るだけじゃん?誰でもできるよ??猫人族の全員出来てたらしいし。(一緒にすんな。)
3人まとめて………
「…………そーれっ!!」
「ぐぁっ!!」
蹴っ飛ばしました。軽すぎ。(3人合わせて240kgはあるはずなんですけどねー。)
「このチビがっ!!」
……………およ??
「…………マジで死にたいらしいな。なら、そこまで言うなら、殺すぞ。」
「「「ヒッ!!」」」
「まぁ、殺すんですけどね。」
「は?¿」
はい、1人目。次。
「そんなぁああああああああ!!貴様ァあああああああああああああああああ────────────あ?」
はい念仏唱えてねー。2人目。
「ヒッ………ヒィぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
「なっさけないなぁ。俺の殺気に当てられてもトカゲくらいならこっちに『おぎゃーおぎゃー』騒いでたよ??」
「お、お前の言う『トカゲ』って、なんだよぉおおおおおお!!!」
「え??虹色に光る鉱石で出来た飛ぶトカゲ。」
「それは!!災害級のドラゴンだろうがァあああああああああああああ!!!」
「はい、成仏してねー。」
「ぁあああああああああ──────アッ」
「あーあ、汚れちゃったよ。まぁ、1滴程度だからいいけどさ〜。」
武器に1滴だけね。
「お、首尾はどう??カティア。」
「余裕。」
「そうだね。」
「話聞こえたけど…………虹色のトカゲって??」
「ええ??それ聞くの??ただのトカゲだって〜。虹色の鉱石で出来た。」
「それ、クリスタルドラゴンだよ??」
「へ??災害級の??」
災害級って、あの程度なんだ…………ざっこ。
「え??弱くね??」
「ほとんどが狩れないと思うけど??」
「カティアは行けるねー。」
「なんで??」
「そこに居るじゃん。」
「…………どこ??」
「ほら、そこの山の中。」
「…………応援して。」
「うーん、ちょっとまってて。」
「……え??」
んーと、どこにしまったかなー??………あ、あったあった。この小さな身長を生かした──────チアフル。
「頑張れ〜」
「元気出た。行ってくる。後で撫でて。」
なぜ、僕のチアフルで元気出るのかな??普通逆じゃない??
「分かってるよ。あ、宿取っておくね。」
「お願い。あと、狩り終わったらアレ光らせておくね。」
「おっけー。了解。後で回収しに行くわ。」
え??アレ??アレは……………閃光玉です。花火型の。
回収………って言うのは、死力を尽くすので、運んでくださいという意味です。
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