第34話
テトは心の底から叫び、全力で神に挑んだ。
光の衝撃が神を直撃し、その場にいた全ての存在が一瞬静止する。
テトの強い意志が、神の力に立ち向かっていく。
神はその光に耐えきれず、後ろに大きく弾き飛ばされた。
神の姿が揺らぎ、崩れかけるのを見て、テトは嬉しさと驚きを感じた。
「やった…!」
しかし、神はすぐに立ち上がり、怒りに満ちた表情を見せた。
その目には、テトを打ち砕く冷酷な光が宿っている。
「貴様、許せない。私を侮辱した報いを受けるがいい!」
神は全身から光を放ち、そのエネルギーを集め始めた。
その瞬間、テトは危機感を抱き、全身の力を振り絞った。
「来なさい、全力でかかってこい!」
神のエネルギーが形を成し、巨大な光の槍が生まれる。
テトはその光の槍を目の前にしながら、心の中で仲間たちの声を聞いた。
《テト、信じてるよ!》
その言葉が彼女の背中を押す。
恐怖が胸を締め付けるが、テトはその中に潜む勇気を感じ取る。
「私が、私の運命を変える!」
テトはドリルを高く掲げ、神に立ち向かう。
光の槍が彼女に向かって突進してくるが、
彼女はその直撃を受け止める準備を整えた。
「私の仲間を殺した罪…死んで償え!!!」
テトは力を集め、一気にドリルを振り下ろした。
光の槍と彼女のドリルが激しく衝突し、周囲に衝撃波が広がる。
天界の空が一瞬暗くなり、次の瞬間、全てが光に包まれた。
その時、テトは心の奥で感じた。仲間たちの思い、そして彼女自身の強さ。
彼女の力が神の力を超えた瞬間、青白い光が炸裂し、
周囲の空間が一瞬にして消し去られる。
光が収束し、やがて静寂が訪れた。テトは目を開け、周囲を見渡す。
彼女のドリルが神に直撃し、神の姿は崩れ去っていた。
「私…勝ったの?」
テトは信じられない思いで立ち尽くす。その瞬間、周囲の空間が不安定になり、
再び何かが現れようとしているのを感じた。
神は倒れることなく、ギリギリのところで意識を保っていた。
彼女の目の前には、神の冷たい表情が残っている。
「まだ…まだ終わりではない…」
神の声は低く、かすれたものでありながら、威厳を失わない。
テトは一瞬、その言葉に引きつけられる。だが、彼女は決して怯まなかった。
神の意識は薄れつつあったが、彼女の心の中で何かが沸き立つ。
「お前が…何をしようとしているのか、私は知らない。でも、もう私を操ることはできない!」
神はその言葉に微笑むかのように、無表情で返した。
「そうか。だが、私には最後の手段がある。私の力を、祭壇に捧げて…破壊神オド=ルゼを召喚する!!」
テトはその言葉に驚愕した。
オド=ルゼという名は、彼女の心に深い恐怖をもたらす存在だ。
神殿の神の言葉が真実であれば、
彼女たちの運命は恐ろしい方向へと向かってしまう。
「やめろ!そんなことをさせるわけにはいかない!」
テトは神に向かって叫び、再び力を込めようとした。
しかし、神はその手を優雅に振り、静かに祭壇へと歩み寄る。
彼女の姿は崩れゆく石のように無力感を漂わせていた。
「私の命は、無駄にするわけにはいかない。オド=ルゼを召喚し、この世界を変えるのだ。」
神は自らの胸に手を当て、その心臓を握りしめた。
彼女の目が輝き、力を集める。祭壇が光を帯び、
彼女の命が光に変わっていくのがわかる。
「私の経験値を、祭壇に捧げる。」
神の声が響くと、祭壇が明るく輝き、周囲の空間が歪み始める。
テトは恐怖と怒りを感じ、神に近づこうとしたが、
その光に引き寄せられるように立ち尽くすことしかできなかった。
「これが、私の最期だ。本当はこの目で世界が滅びる瞬間を見たかったが、これで新たな力が生まれる。私を超える存在が現れるのだ!」
その瞬間、神は自らの胸を突き、血が噴き出した。
血の一滴一滴が祭壇に落ち、激しい光が放たれる。
テトはその光景を目の当たりにし、恐怖で心が締め付けられる。
「来たれ!破壊神・オド=ルゼ!」
神の声が響き渡り、周囲の空間がさらに歪み、異次元の扉が開かれる。
そこから、巨大な影が姿を現した。
それは、恐ろしいほどの力を持つ存在、『破壊神・オド=ルゼ』だった。
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