第28話
----------------------------------------テト視点----------------------------------------
昼ごはんをみんなで食べている時だった…。
ミクはかつての魔王として、その強大な力と深い知識を持っていた。
村で平和な時間を過ごしている間も、彼女は常に周囲に目を光らせていた。
ある日、ミクは不安な気配に気づいた。
「何かがおかしい…」
ミクが突然、鋭い視線を周囲に向けた。
「どうしたの、ミク?」
私が問いかけると、ミクは顔を曇らせ、しばらく黙り込んだ後、静かに答えた。
「オド=ルゼの気配を感じるの。誰かが、あの破壊神を召喚しようとしているわ」
私たちは驚愕し、言葉を失った。
オド=ルゼは、この世界を破壊し尽くす力を持つ存在。もし本当に彼が蘇れば、
私たちがこれまで守ってきたものすべてが無に帰すことになる。
「そんな…でも、オド=ルゼは封印されたはずじゃ…」
リンが困惑しながら言った。ミクは険しい表情で頷いた。
「そう、そのはず。けれど、誰かが意図的に封印を解き、召喚の準備を進めている。力の流れが変わったのを感じたの。これは…相当強力な術者が関わっているわ」
「誰がそんなことを…?」
レンが戸惑いながら口を開く。ミクは深く息を吐き、顔を伏せた。
「わからない…でも、私たちが止めなければならない。オド=ルゼが現れれば、全てが終わってしまう」
皆が緊張の面持ちで互いに顔を見合わせた。村は平穏を取り戻したかのように見えていたが、世界の奥底で恐るべき陰謀が進行していたのだ。
「ミク、どうすればいい?」
私は真な眼差しで彼女に尋ねた。
「まず、召喚の兆候が強まっている場所を特定しなければならない。そこに行き、誰がオド=ルゼを呼び出そうとしているのかを突き止め、止めるしかないわ。それには…このメンバー全員が必要よ」
ミクは私たちを見渡し、強い決意を込めて言葉を続けた。
「私たちだけでなく、四天王の力も必要になる。オド=ルゼを止めるには、全力を尽くす覚悟がなければならない」
「私は…四天王を再び召喚しようと思うの。もちろん、もう彼らは敵ではない。私たちの仲間として力を貸してくれるはず」
私は驚いてミクを見つめた。
かつての強敵であった四天王たちが、今や仲間として再び召喚されるというのか。
あの圧倒的な力を持った彼らが味方になるなら、これほど心強いことはない。
皆が黙り込んだ。リンとレンは緊張した面持ちで私を見ている。
ユカリは少し距離を取り、考え込むような表情だ。
そしてカイトは、少し戸惑いながらも何か決意を固めたように頷いていた。
「分かった。信じるよ、ミク。今や君は仲間だ」
私は微笑んでミクに言った。
ミクは深呼吸をしてから、静かに呪文を唱え始めた。
彼女の周囲には暗いエネルギーが集まり、次第にそれが形を成していく。
そして、闇の中から現れたのは…。
「ずんだもん!」
まず現れたのは、かつての四天王、ずんだもん。
彼女は小柄な体で無邪気な笑みを浮かべているが、
その眼には鋭い決意が宿っている。
「ウナ、来い!」
次に現れたのは、水を操る四天王のウナ。
彼女は冷静な表情を崩さず、淡々とした態度でこちらを見ていた。
「アオイ、アカネ!」
そして最後に、氷を操るアオイと彼女の姉妹であるアカネが姿を現した。
2人は、すごい連携を見せるだろうその様子で、戦いの準備を整えている。
「みんな、よろしくね!」
ミクは満足そうに彼らを見渡し、私たちの方に振り向いた。
私たちは頷き、心を一つにした。
次なる戦いへの決意が、皆の胸に燃え上がっていく。
このメンバーで、どんな敵が現れても、今度こそ乗り越えられるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます