真相は分からないままで良い

彼女に振られて自棄酒した翌日、誕生日を迎えた主人公。
一歩外を歩けば、しがない一般人であるはずの自分の誕生日を、誰も彼もに祝福されます。
次から次へと人が押し寄せ、遂には「祝わせろ」と暴動が起きる始末……一周回ってホラーです。

読み終えた時、とても不思議な、ふわっとした読後感が残りました。
明確な理由や結論を求めるのではなく、ただ目の前の出来事や事象を素直に受け止め、楽しむのが正解だったのかなと思っています。

文章能力が高いのはもちろんなのですが、加えて「魅せ方」が巧いと言いますか、とにかくするする入ってきました。
キャラクター小説とも、文芸とも違う、一風変わったテイストの作品です。

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