388_病弱な不死鳥
ああまた灰になってしまった
手当てしないとすぐ灰になってしまう
不死鳥だからすぐにまた生まれるけれど
運よく雛鳥から成長する事ができれば
これまでが嘘のように元気に飛び回る
でもやがて成長が止まった瞬間に
病気になってまた灰に戻ってしまう
きっとお前が生まれた時の設計図が
この世界のどこかに保存されている
神様はきっと書き直してくれないんだろう
それでもお前はずっと生き続けるのだから
いつまでも変わらない
「次こそはきっと」なんて言葉を並べる
いつまでも混ざらない
「これが儚い」なんて言葉で片づける
お前が鳴くもう何回目か分からない産声は
生きているという喜びなのか
生まれたという悲しみなのか
遠くない未来で死んでしまう私には
一生かけても分からないだろう
実はもう慣れてしまった自分がいるんだ
「ああまた灰になったな」って軽い気持ちで
お前よりもむしろ自分はどうなるんだろうって
いや考えるだけ無駄なのかもしれないなって
ああまた灰になる
お前も私も
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