恋についての全てを私は知りたい。

向夏夜なくの

一部 高校一年生

一部 一章 初めてのラブレター

第1話 私と恋と自問自答

恋愛ってなんだろう?

どういう仕組みになっているの?


道行くカップルを見る度に、ふと考える。


恋人がいる同級生が珍しくないと気付いたのは、高校一年生になったつい最近のこと。


勉強が三大欲求を全て満たしてくれていたから、恋愛以前にそもそも他人に全く興味が無くて。今まで恋なんてしたことが無いし、しようと思ったことも無かった。


――けれど、最近は無性に恋がしたい。


どのような心境の変化があったのかは私自身上手く分からないのだけれど、今までほとんど意識して来なかったに対して、自分の興味関心が向くようになった。


登校中の今だってそう。

顔を上げて周りをよく見たら、男女が手を繋いでいる。


今までのように、地面の模様だけを見て歩いて、考え事をしているだけでは見えてこなかった景色だ。


――私も手を繋いでみたい。


もう高校生になったのだから、男女で手を繋ぐくらいはしても良いはず。


とは言え。私は何事も客観的視点に立ち、冷めている人間である。

高校生になって発情している私は、客観的に見て如何いかがなものだろうか?

発情している私は、本当に私なのか?


恋についてもっと知りたくて、昨晩恋愛ドラマを初めて観てみた。

世の中は恋愛感情を美化しすぎている気がするけれど、そんなに良いものなのかな。


――正直、精神病の一種じゃないの?


恋は盲目という言葉もあるしさ。


でも、仮に病気であっても一度は恋をしてみたい。


「えいやっ」と近場の男子に告白すれば良いのだろうけど、私の近場に男子は居ない。友達自体一人しかいないのだから当然か。


頭でっかちだから、行動を起こすのには何かしらの理由が必要だし……。


恋愛はしてみたいけれど、行動出来ずに悩んでばかり。

そんな私は、恋をするべき理由を最近ずっと考えている。


今日も登校の道すがら、一つ理由を考えたので聞いてほしい。


その辺の野生動物でさえ求愛行動をする。それはつまり恋愛感情を抱いているということで、それすら出来てない私は生物的にそれ以下の存在だ。

種の存続という観点では、私の方が精神病を抱えているとさえ言える。


だから私は恋をする必要がある!!


「はあ…」


学校の登校時って、変なことばかり考えてしまって嫌になる。


誰か私に恋を教えてくれないかな。


===============


◯作者コメント


こんな感じの女子高校生が、恋愛を知っていくお話です。



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