黒澤先生の去年のお話ですね。
これは—……アルジャーノンに花束をとか、
もしくはSCPの依談とかが好きな方にはたまらん作品なのでしょうな。
まず構造が日記形式なのですが、冒頭で『日記の中で日記のことを語って』いるという、合わせ鏡のようなものから始まります。
叙述トリックが何かというと、まあ我々はこの語り部のことを何もわからないわけですが……
この語り部が隠そうとしていることを、この奇妙な日記が勝手に暴露していき、
我々はいちいち語り部に騙されていたのだということをその場で知ることになる……ということが連発して最後には? という物語にございます。
ところで黒澤先生といえば、毎日欠かさず多くの作品を読まれる方ということでも有名な方ですがー……
まさかとは思うけど、こんな風に思ってたのか……と思うとちょっと怖くなりますがそれは作品とは関係のない話!
あなたもこの日記に、食われてみませんか?
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さて、現在、黒澤先生の『格ゲーでボコボコにしてストレス解消の的にする』相手をおおせつかっている私から、
皆様に朗報がございます。
やく一年の時を経て、黒澤先生はこの物語の続編に手をつけることを決意なされました。
それは、実はこの物語が、『主人公が日記に食われた』ことが終わりであることこそが最大の叙述トリックである。ついでに、
日記だったことも叙述トリックであり、国語の教材である。そして、これを読んだ人間全員が食われる……ことも叙述トリックであり、
この壮大な物語が思考実験であり、一つの物語に自問自答してなかなか書き出せないでいる作家の苦悩を残酷なまでに映し出した記録である。
という物語を執筆中です!!
……以上が全て叙述トリックであり……
この物語は『人を喰ってしまう日記』というのを主人公が手に入れるところから始まります。そこに自分自身のことを書き込むと、最終的にはこの日記に喰い殺されてしまう……とのこと。
実際にどうなるかは……是非読んで確かめていただきたいですね。
この作者の作品にはこれまでも衝撃をたくさん受けていましたけど、この作品は一際衝撃的でしたね。
キャッチコピーに書いてある叙述トリックが私を襲うという記述。
なに言ってんだって思って読んでみたら、ほんとに襲っていて目が点になりました😯
こんなの普通は思いつかないし、思いついても普通はうまく書けないと思います。
素晴らしい作品でした。おすすめです。
以前、日記を付けていたことがあり、書いていた内容がまとまらずに創作していたことがありました。
数年後に読み返した時、「創作」したことを覚えているうちは楽しいのですが、「あれ、こんなことあったかな……」と本気で考え込んでしまうときには、自分の記憶力が怪しくなり、ちょっと怖くなってしまいました。
しかし、本作の日記が仕掛けてくる『叙述トリック』攻撃は、こんなのんびりしたものではありません!
日記にペンを走らせるその瞬間から、わが身を守らねばならないのです……!
とてもスリリングで、ホラーな傑作です!!!
是非ともご一読ください!